[ロンドン/シンガポール 7日 ロイター] - 欧州外為市場では、円が対ドルで約7カ月ぶりの高値に急伸した。日銀が金融政策の引き締めペースを速めるとの見方に加え、日本の投資家による資金の本国送還(レパトリエーション)への思惑が強まり、長らく売り込まれてきた円の見通しをトレーダーが見直している。
ドル/円は一時1ドル=154.05円と2月以来の安値を付け、その後は1.1%安の154.40円で推移した。日米当局が協調介入に踏み切った8月の安値も下回った。介入当時、円は対ドルで40年ぶりの安値近辺で取引されていた。
介入後の円上昇の大部分は速やかに帳消しになったが、レパトリエーションやキャリートレードの巻き戻し、米国からの政治的圧力といった新たな支援材料が浮上し、投資家は長年抱えてきた円売り持ち高を見直しつつある。
ある邦銀のシニア通貨アナリストは、ドルが155円を割り込んだことで、円に対するトレーダーの強気姿勢が一段と強まったようだと指摘した。さらに「今年これまで、介入を受けて円が上昇する場面では、ドル/円は155円近辺が底になる傾向があった。この水準を突破したことは強気シグナルであり、円は一段高となる可能性がある」と述べた。
対円でのドル安は、より広範なドル相場にも重しとなった。ユーロは0.15%高の1ユーロ=1.1630ドル、ポンドも同幅上昇して1ポンド=1.3539ドルとなった。
今週の最大の注目材料は、12日(金)に発表される米消費者物価指数(CPI)。米連邦準備理事会(FRB)が今月後半に利上げに踏み切るかどうかを左右する可能性があり、ドルの方向性にも影響しそうだ。
ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(BBH)のグローバル市場戦略責任者、エリアス・ハダッド氏は「CPIが強い数字となれば9月の利上げがほぼ確定し、ドル高を裏付ける。逆に弱い数字なら据え置きの論拠が強まり、ドルは見直し売りが強まりやすくなる」と指摘した。
同氏はさらに「仮に9月の利上げが確実視されるようになっても、ドルが新たな景気循環上の高値を付けるとは考えにくい。他の主要中央銀行も引き締めを進めており、政策の方向性の乖離は限定的だ」と述べた。
<為替> 欧州終盤 アジア市場終盤
ユーロ/ドル 1.161 1.1623
7
ドル/円 156.1 155.55
1
ユーロ/円 181.3 180.80
7