インド経済に、長らく待たれていた民間投資復活の兆しが現れ始めている。成長の原動力を多様化し、世界経済の変動に対する耐性も高める動きと言える。
アジア第3位の経済大国であるインドの2026年4-6月期の実質国内総生産(GDP)は7.8%増となり、市場予想を上回った。これで予想超えは12期連続。力強い成長は、輸入原油への依存度の高さや商品価格の上昇、海外投資資金の流出、通貨ルピーの軟調といった逆風に直面している経済を下支えしている。
とりわけ若年層の雇用不足を巡って批判にさらされているモディ首相は短文投稿サイト「X」への投稿で「悲観論者たちの予想は外れ、インドは再び花開いた」と強調した。
しかし、今回のGDP上振れ以上に注目すべきなのは、成長のけん引役が個人消費や政府支出だけではなくなってきている点にある。長年にわたる政府主導のインフラ投資が、民間資本を呼び込み始めており、4-6月期の経済全体の投資を示す総固定資本形成は前年同期比11.9%増となった。
シティグループのアナリストチームは1日のリポートで「新型コロナ禍による変動を除けば、今回の実質投資の伸びは2018年後半以降で最も力強く、企業設備投資の勢いが改善しているという当社の見方を裏付けている」と指摘した。
国家統計局によると、4-6月期の総固定資本形成の対GDP比率は前年同期の31.4%から34.3%へ上昇した。
インド最大級の経済団体、ASSOCHAMのサウラブ・サニヤル事務局長は「鉄道、人工知能(AI)、半導体分野への投資が拡大しており、経済成長を支えている」と述べ、民間部門を中心とする設備投資が4-6月期に前年同期比で5兆ルピー(527億ドル)超増えたと説明した。
複数のアナリストは、インド準備銀行(RBI、中央銀行)の推計として、1-3月期に工場稼働率が77%近くまで上昇したことを背景に自動車、再生可能エネルギー、防衛分野を中心として民間投資が加速していると言及した。