トランプ米政権が欧州の保守系市民社会団体向けに少なくとも2500万ドルの資金を拠出する計画の一環として、400万ドルを欧州の右派系メディア支援に充てる方針だ。事情に詳しい関係者4人が明らかにした。
計画が実現すれば、一部諸国の間で既に米国による内政干渉を非難する動きがある欧州と、トランプ政権の緊張がさらに高まる恐れがある。
米国務省民主主義・人権・労働局(DRL)の説明では、資金拠出の目的は、大西洋を挟んだ協力関係の強化と表現の自由の促進とされる。欧州では今後数年にわたり各国で選挙が予定されており、トランプ政権は欧州のポピュリスト右派や極右政党への支持姿勢を公然と示している。
関係者によると、国務省は21日にこれらの資金配分計画を議会に通知。うち300万ドルは「大規模かつ不法な移民、独立メディア環境、超国家機関による立法課題に関連する欧州の民主主義後退を記録・分析する」事業に、100万ドルは国家主権や自然権、宗教の自由などの問題を取材する独立系ジャーナリストの連携組織設立を支援するために、それぞれ充当される見通しだ。
ロイターはどの団体やジャーナリストが助成金を受け取るかまでは確認できなかった。
国務省報道官はDRLが政治政党には資金提供していないとした上で「トランプ政権は欧州を含む世界各地で民主主義と人権の擁護に引き続き取り組む」と主張した。
欧州連合(EU)欧州委員会はコメント要請に回答していない。
トランプ政権は従来の米国による民主主義や人権の普及支援から距離を置き、経済や通商問題を重視する姿勢を強めている一方で、右派政治家に関連する課題や、保守派の言論がオンライン上で抑圧されているとの認識に基づく取り組みを積極的に支援している。
7月と8月に公表された国務省の3件の公募通知を通じ、約1000万ドルの資金拠出は既に明らかになっている。今回の21日の通知はこれに少なくとも1500万ドルを追加するもので、欧州関連事業向けの助成総額は最低でも2500万ドルに達する見込みとなった。
こうした資金提供計画に対しフランスのバロ外相は7月、Xに「フランスと欧州は、いかなる国からであっても選挙プロセスへの外国による干渉を容認しない」と投稿するなど反発も広がっている。
欧州向け助成金は、国務省が検討する総額約1億8000万ドル規模の資金計画の一部。この中には南アフリカの少数派コミュニティーに対する「虐待」の記録や、ブラジルでの「司法権の逸脱や検閲」に対抗する市民社会支援なども含まれているほか、中国や北朝鮮など権威主義体制下の国々を対象とした従来型の民主主義支援事業向け助成も多数盛り込まれている。
関係者3人の話では、一連の資金計画は9月末までに最終決定される見通しだ。

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