[上海/香港 31日 ロイター] - 31日の中国・香港株式市場で、不動産開発株が下落した。未完成の新築住宅販売制度の見直しに向けた規制変更を受け、不動産開発業者の資金繰り悪化、不動産投資の一段の冷え込みへの懸念が台頭した。

中国当局は28日、不動産開発会社の自転車操業的な資金調達モデルの転換を促す措置を発表した。購入者側のリスクを低減し、業界への信頼回復を狙った措置。

中国市場のCSI300不動産株指数は4.7%安で取引を終え、香港市場の本土不動産開発株は6.2%下落した。ハンセン香港不動産株指数も4.8%安となった。

<国有系開発会社が下落率上位>

国有系の下げがきつく、緑城中国は17.6%安、中国金茂は15.9%安、越秀地産は13.6%安となった。

大手国有企業の華潤置地と中国海外発展はいずれも9%超下落した。財務が健全と見なされている民営の龍湖集団、新城発展もそれぞれ7.1%、5.8%下落した。

光大証券は顧客向けリポートで、新たな措置について「資金調達力と経営能力の両面で、不動産開発会社に求められる水準を引き上げた」と指摘した。

さらに「中小の大半は利益を確保できず、市場からの退出を余儀なくされる」とし、業界再編が加速するとの見方を示した。

<長期化する不動産部門の苦境>

不動産開発会社は長年、住宅の完成前に販売を開始することで事業資金を調達する予約販売モデルに依存してきた。公式データによると、予約販売代金と住宅ローンは開発資金の40%を占める。

中国人民銀行(中央銀行)と金融規制当局が発表した新規制では、住宅ローンはプロジェクトが完成した後にのみ実行される。別の指針では、地方政府に対し「引き渡しリスクを根本的に防ぐ」ため完成物件の販売促進を求めている。

新規制はまた、個人向け住宅ローンの最長期間を30年から40年に延長することで、住宅購入者の債務負担軽減も目指す。

一方で金融機関のリスク負担は増すことになる。ある銀行関係者は「従って、銀行は融資先を一段と厳選するようになる」と述べた。銀行が開発融資の大半を優良プロジェクトや大手開発会社に振り向ける傾向がさらに強まるという。

新規制の影響を最も強く受けるのは大手開発会社になるとみられている。

野村は調査リポートで「開発会社は建設資金を早期の住宅ローン収入に頼れなくなる。建設段階の資金は自己資金や開発融資で賄わなければならない」と指摘した。

野村のアナリストは、予約販売の仕組み変更により、高水準の債務・レバレッジ・資産回転率に依存してきた多くの開発会社のビジネスモデルが変化すると指摘。その結果、新築マンションの供給が減少し、買い手は中古住宅に向かう可能性があるとの見方を示した。

大半の民間不動産会社が債務不履行(デフォルト)に陥った業界は現在、国有企業が支配的地位を占める。しかし、企業幹部らは、政府の後ろ盾を持つ会社も影響を免れることはできないと述べた。借入金利は、民間が5─6%であるのに対し、国有は2─3%で借りやすい状況ではあるが、土地を購入したり新たな投資を行ったりする手元資金は乏しくなるとした。

幹部の1人は「キャッシュフローの40%が事業用に使えなくなる。つまり、短期的には投資能力が40%減少することを意味する」と述べた。

アナリストによると、住宅ローン期間の長期化は借り手の手元資金に余裕をもたらし、個人消費を押し上げる効果が期待できる。一方、住宅需要を大きく押し上げる可能性は低いという。

スタンダード・チャータード銀行の大中華圏・北アジア担当チーフエコノミスト、シュアン・ディン氏は「雇用とそれに伴う所得の見通しに加え、住宅価格がさらに下落するとの予想が住宅需要を引き続き抑えるとみている」と述べた。

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