結果として、3つの食事法はいずれも健康状態の改善につながった。どの食事法を実践したかにかかわらず、減量によって筋肉のインスリン感受性(血糖値を調節するインスリンへの反応のしやすさ)は約50%改善した。また、すべてのグループで体脂肪が減少し、心血管疾患のリスクを示す複数の指標も改善した。
ただし、いくつかの重要な指標では、ケトジェニックダイエットが一貫してより大きな改善を示した。肝臓のインスリン感受性は、ケトジェニックダイエットのグループでは、地中海式や植物性食品中心の食事のグループと比べて2~3倍大きく改善した。
肝脂肪も大幅に減少した。ケトジェニックダイエットでは67%減少したのに対し、ほかの2グループでは約45%の減少にとどまった。
さらに、血糖値やインスリン濃度、長期的な血糖コントロールの指標であるHbA1c(ヘモグロビンA1c)の低下幅も、ケトジェニックダイエットで最も大きかった。
前糖尿病の改善率もケトジェニックダイエットが最も高く、試験終了時点で前糖尿病の基準に該当しなくなった人は50%に上った。地中海式では29%、植物性食品中心の食事では7%だった。
また、ケトジェニックダイエットは飽和脂肪酸をはじめとする脂質の摂取量がはるかに多いにもかかわらず、コレステロール値を悪化させる傾向は見られなかった。心血管疾患のリスクを評価する際によく用いられるLDLコレステロールとアポリポタンパク質Bについても、グループ間に有意な差はなかったという。
今回の研究結果は地中海式ダイエットが健康に悪いことを意味するものではない。むしろ、肥満に伴う代謝異常や脂肪肝を抱える人にとっては、炭水化物を制限することで、減量そのものに加えてさらなる健康上のメリットを得られる可能性があることを示している。
Reference
Petersen, M.C., Smith, G.I., Farabi, S.S., Palacios, H.H., Shankaran, M., Hellerstein, M.K., Patterson, B.W. and Klein, S. (2026). Effect of diet macronutrient content on the cardiometabolic response to weight loss: A randomized clinical trial. Cell Metabolism. [online] doi:10.1016/j.cmet.2026.07.020.
曖昧すぎる目標、敵国の軽視、自国軍事力への過信……長期化・泥沼化したベトナム戦争との共通点