過体重は依然として公衆衛生上の大きな課題となっている。研究チームが引用した英国の国民保健サービス(NHS)のデータによると、過体重または肥満に該当する男性の割合は約70%に上り、女性の62%を上回っている。

一方、今回の研究では、男性が長期的に生活習慣を変える上で効果的とみられる要素も明らかになった。

従来型のダイエットを呼びかけるよりも、「挑戦」や「目標達成に向けた活動」として減量を位置づけるほうが、参加者の反応は前向きだった。競争や達成感を取り入れたプログラムも、男性の意欲を引き出しやすいようだ。

パートナーからの支援も重要な役割を果たしていた。多くの参加者が、配偶者は最大の励みであると同時に、健康的な習慣を続ける上で自分を律する助けにもなっていると答えた。

食生活の改善そのものが、パートナーの知識や経験をきっかけに始まったり、その支えによって続けられたりしていると話す男性もいた。

研究チームは今回の結果について、食事やダイエット、健康に対する男性の考え方や経験をより反映した体重管理プログラムが必要であることを示していると指摘する。

食事制限ばかりを強調するのではなく、無理なく続けられる生活習慣の改善や個人の目標、周囲からの支援を重視するほうが、効果につながる可能性があるという。

今回の研究は参加者が比較的少ないものの、男性の減量に対する動機や経験、好みを具体的に調べた初の学術研究とみられている。

研究チームは、従来型のダイエットプログラムを敬遠しがちな男性にも参加を促せるよう、今回の知見が今後の公衆衛生政策に生かされることを期待している。

Reference

Cortnage, M., Lillis, J. and Roberts, J. (2026). Male perceptions and experiences of weight loss initiatives: Considerations for sustainable lifestyle practices. PLOS One, 21(8), p.e0348158. doi:10.1371/journal.pone.0348158.
 

【関連記事】
ニューズウィーク日本版 ベトナム化するイラン戦争
2026年9月1日号(8月25日発売)は「ベトナム化するイラン戦争」特集。

曖昧すぎる目標、敵国の軽視、自国軍事力への過信……長期化・泥沼化したベトナム戦争との共通点

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます