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[香港 27日 ロイター] - ネパールと中国との国境付近で起きた大規模な土石流災害による被害は甚大となっているが、ヒマラヤ一帯では近年、壊滅的な洪水が相次いでいる。チベット・ネパール国境の吉隆(ギロン)で2025年に発生した洪水、24年にシェルパの村タメで起きた氷河湖決壊洪水、23年のインド北東部シッキム州での氷河湖決壊などが挙げられる。ヒンドゥークシュ山脈一帯では、洪水、地滑り、雪崩、干ばつの頻度と激しさが増しており、ネパールに本拠を置く国際総合山岳開発センター(ICIMOD)は、水・土地・大気の急速な変化がこの地域の人々にとって大きな脅威になっていると指摘する。
長期的な傾向は一段と深刻で、国連は23年、地球温暖化により、ネパールの雪山ではわずか30年余りで氷床の3分の1近くが失われたと指摘。ネパールの氷河はその前の10年間と比べて、直近の10年間で65%速いペースで融解したという。
ICIMODの上級雪氷圏専門家、ファルーク・アザム氏は、山岳部の気温上昇により、地表の氷に覆われた部分である「雪氷圏(クライオスフィア)」は過去に比べてはるかに脆弱になっていると述べた。
香港城市大学エネルギー環境学院のベンジャミン・ホートン院長は、今週ネパールと中国チベット自治区の国境沿いで発生した洪水災害は「複合事象」の典型例となり得ると指摘。地震が氷河の消失、永久凍土の融解、斜面の不安定化といった気候変動による変化と相互作用し、「単一の要因では起こり得ないような、より複雑で被害の大きい災害を生み出す」場合に発生するとし、こうした連鎖的リスクの理解が高山地域のレジリエンス(強靱性)向上に不可欠だと語った。