Tetsushi Kajimoto
[東京 27日 ロイター] - 政府は8月の月例経済報告で、景気の総括判断を「緩やかに回復している」と維持する一方、「中東情勢や自然災害の影響を注視する必要がある」として、リスク要因に熊本地震や千葉豪雨など自然災害を追加した。熊本の被災地域には半導体や自動車関連工場が集積しており、生産やサプライチェーンに対する脅威とならないか、「注視」(内閣府幹部)するとしている。
総括判断の表現の変更は、今年3月に米国関税政策に代わって「中東情勢の影響を注視する必要がある」として以来、5カ月ぶり。
個別項目では、すべての新築住宅・非住宅建築物に対し、省エネ基準への適合を義務化した2025年4月の「改正建築物省エネ法」施行前の駆け込み需要の反動で「弱含んで」いたとしていた住宅建設が「総じて横ばいとなっている」に修正された。上方修正は2024年8月以来24か月ぶり。
個人消費と並ぶ内需の柱である企業の設備投資が世界的なAI(人工知能)や半導体需要に支えられる中、企業収益はこれまでの「改善の動きがみられる」を「改善している」に変更、2026年2月以来6カ月ぶりの上方修正となった。
国内企業物価については「このところ上昇している」から「このところ上昇テンポが鈍化している」に修正した。
個人消費については「持ち直しの動きがみられる」、設備投資は「持ち直している」との判断を維持した。
先行きについても「雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を下支えすることが期待される」としたうえで中東情勢に加え、自然災害の影響を注視する必要があるとした。内閣府幹部は中東情勢の影響に加え、為替相場変動を含む金融資本市場の動向などに注意する必要がある、と述べた。
4-6月のGDPは年率プラス1.1%と底堅く推移する中で、個人消費や設備投資がマイナスになり、内外需の弱さを指摘する声が民間エコノミストから聞かれるが、内閣府では統計の入り繰りによる一時的な要因が大きく、増加基調のファンダメンタルズに変化は見られないとしている。一方で原油価格高による所得流出については、消費者物価への影響も含めて注視が必要とした。
※〔表〕月例経済報告の景気判断の推移は[L4N44N0UA]をご覧ください。