Nathan Layne Steve Holland

[24日 ロイター] - トランプ米大統領率いる与党共和党は、9月9-10日に南部テキサス州ダラスで開催する初の議会中間選挙向け全国大会を、党勢回復のための極めて重要な機会と位置付けている。経済への不満やイランでの戦争を巡る懸念から、トランプ政権と共和党に対する有権者の不満が高まっていることが、各種世論調査で示されているためだ。党関係者や主要献金者、大会運営関係者への取材で明らかになった。

共和党が今年初めにこの大会の開催を発表した際には、一部のストラテジストから選挙戦で追い込みに向かう中で「集中力がそがれる」との批判が出たほか、大統領選の年のような党の正式な議決事項もない全国集会を開く必要性に疑問を呈する声も聞かれた。

しかしイランでの戦争や生活費高騰に絡む否定的な報道が数カ月にわたって続き、野党民主党が11月3日の中間選挙で上下両院の多数派奪回に本腰を入れる状況にあって、党幹部らはこの大会をトランプ氏の政策への支持を改めて訴える絶好の機会と見なすようになった。ただ一部の共和党関係者は、有権者の意識を大きく変える効果があるかについてなお懐疑的だ。

党幹部の話では、大会ではトランプ政権の減税政策や移民政策などの成果を改めて強調する方針。そうした政策の恩恵を受けたとされる一般市民を紹介する一方で、民主党を「社会主義的な思想や活動家に支配されつつある政党」と描くことも計画されているという。

もっともトランプ氏を大会の中心に据える戦略については懸念の声もある。支持率が低迷している大統領に再び注目が集まり、しかもトランプ氏自身がイランでの戦争による経済的負担を国民に受け入れるよう繰り返し求めてきたことから、逆効果になりかねないからだ。

共和党全国委員会(RNC)のナタリー・バルダサーレ報道官は大会について「薬価引き下げ、減税、南部国境の安全確保といったトランプ大統領の政策に対する支持を結集する場になる。トランプ大統領ほど有権者を投票所に向かわせる人物はいない。この大会は11月の選挙で共和党の多数派拡大に必要な勢いをもたらすだろう」と強調した。

<難しい判断迫られる候補者>

現時点では、どの連邦議会候補者が2日間の大会で演説するかは明らかになっていない。接戦区で戦う3人の候補者陣営の顧問はロイターに、自らの候補が演説枠を与えられるかどうかについて、まだ連絡を受けていないと語った。

ロイターは、接戦となっている連邦下院37選挙区と上院8選挙区の共和党候補計45陣営に対し、大会への出席や演説の予定について問い合わせた。だが実質的な回答を寄せたのはわずか1陣営のみ。中西部ミシガン州で厳しい再選争いに臨む共和党下院議員トム・バレット氏は、大会を欠席して選挙区での活動を優先する考えを示した。

同氏の陣営で活動するストラテジストのジェイソン・ケイベル・ロー氏は「再選に向けた厳しい選挙を戦っており、有権者は選挙区にいる」と説明した。

それでも、ロイターが取材したおよそ12人の党関係者や大会運営者、RNC委員の多くは、この大会こそが共和党支持層の士気を高める最大の機会だと考えている。世論調査では、共和党支持者の熱意は民主党支持者に及んでいないとされるためだ。

ミシガン州選出のRNC委員ロブ・スティール氏は「トランプ氏ほど優れた国のセールスマンはいない。悪影響は全くないと思う」と言い切った。

大会共同議長を務める共和党献金者のレイ・ウォッシュバーン氏は、約3万人の来場を見込んでいると述べた。この数字は会場となるダラスのアメリカン・エアラインズ・センターの収容人数を約8000人上回る規模となる。資金調達額は4200万ドルに達し、大会運営費は全額賄える見通しだという。

とはいえ新学期が始まる時期と重なることから、一部参加者にとっては日程面で負担となる恐れがある。ある州の党幹部は、代表団のメンバーから参加が難しいとの声が相次ぎ、割り当てられた座席の多くを返上したと明かした。

ウォッシュバーン氏は詳細な登壇者リストの公表を避けたものの、トランプ政権の閣僚の大半が出席するほか「接戦を続けている候補者のほぼ全員」が参加するとの見通しを示した。バンス副大統領が9日に、トランプ氏が10日にそれぞれ演説する予定だという。

これに対して南部サウスカロライナ州の共和党系ストラテジスト、デイブ・ウィルソン氏は、大規模な政治集会型の大会だけで世論が変わるとは考えていない。特に、有権者最大の関心事である生活費高騰への具体的な対策が示されなければ効果は限定的だとみている。

ウィルソン氏は「ダラスでの大会が西部ワイオミング州シャイアンやサウスカロライナ州チャールストンの有権者行動を変えるとは思えない。そもそも平均的な共和党支持者は大会が開かれていることすら知らないのではないか」と述べた。

<資金集めと知名度向上の機会>

今回は大統領選挙の年ではない異例の大会だが、候補者や献金者にとって資金集めや人脈構築の場という、従来の全国大会と同様の役割を果たすとみられている。RNCは既に大会公式グッズとして帽子やTシャツ、マグカップを販売する専用サイトを立ち上げた。

ウォッシュバーン氏は、大会によって候補者が大きなメディア露出を得られると主張。スキャンダルに悩まされているテキサス州選出上院候補ケン・パクストン氏も、地元開催による注目の恩恵を受ける可能性があると付け加えた。

ただトランプ氏の支持率が33%にとどまる現状で、大会開催自体に疑問を抱く共和党関係者もいる。匿名を条件に取材に応じた接戦区担当のあるストラテジストは、多くの候補者が地域課題を前面に出し、無党派層の支持獲得を目指している中で、トランプ氏との結び付きをさらに強めるのは得策ではないと指摘した。

南部テネシー州のRNC委員オスカー・ブロック氏は、多くの候補者が寄付集めやメディア出演による知名度向上を目的としてダラス大会への参加を余儀なくされるだろうが、トランプ氏への全面的な支持表明には慎重な候補者も少なくないとの見方を示した。

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