Toby Sterling

[アムステルダム 21日 ロイター] - オランダのデータ保護局(DPA)は21日、米配車大手ウーバー・テクノロジーズがシステムの判定だけで一部の運転手のアカウントを自動的に停止したことが欧州連合(EU)の一般データ保護規則(GDPR)違反に当たるとして、8億2500万ユーロ(約9億6600万ドル)の罰金を科したことを明らかにした。決定は17日付で、ロイターが決定内容を確認した。

GDPR違反の罰金額としては、米メタ・プラットフォームズがEU域内の利用者データを米国のサーバーへ違法に転送したとして、アイルランドのデータ保護委員会(DPC)が2023年に科した12億ユーロに次いで2番目。メタはDPCの決定を不服として異議を申し立て、争っている。

DPAのモニーク・ベルディエ副会長は声明で、ウーバーが警告したり、人が関与したりせずに運転手のアカウントを無効化する「重大な違反を犯した」と非難。その上で「ある瞬間から彼らは収入を一切失ってしまった。コンピューターが(これほど)重大な結果をもたらすような決定を独自に手掛けるべきではない」と訴えた。

ウーバーもDPAの決定を不服とし、異議を申し立てることを明らかにした。ウーバーの広報担当者は「当社は今回の決定と、バランスを欠いた罰金額に、強く異議を唱える」とコメントした。

GDPRは、人々の生活に重大な影響を及ぼす決定をコンピューターのアルゴリズムだけで判断することを禁じている。そのような決定には人間による実質的な審査と、決定に異議を申し立てる手段が必要だと定めている。

今回の事案は18年から22年にかけて欧州で発生し、ウーバーの欧州本社がオランダにあるためDPAが取り扱った。これらの事案はウーバーのシステムが、運転手が運賃を水増しするために不必要な迂回をしたり、運転を完遂する意思がないまま乗車依頼を受け入れたりしたと判断し、詐欺の疑いで一部の運転手のアカウントを一時停止した。

ウーバーはこうした利用停止措置は通常なら短期間で、人間の審査を経ずにアカウントを恒久的に無効化することはないと主張した。

DPAは、顧客評価の低い運転手がシステムの判断でアカウントを恒久的に無効化されたケースもあったと指摘。ウーバーはこれを否定し、アカウントの恒久的な無効化の決定を自動化したことは一度もないと反論している。また今回の事案で影響を受けた運転手はごく少数だとし、21年に顧客評価が低いことを理由に欧州でアカウントを無効化されたのは126人にとどまったと説明している。

欧州の規制当局は近年、プライバシーや競争、デジタル市場に関する規制に違反したとして米大手ハイテク企業に計数十億ユーロ規模の罰金を科している。トランプ米大統領はこうした罰金を批判し、国務省当局者は4月にこれらが米国とEUの経済関係で「最大の摩擦要因」になっていると非難していた。

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