Michael S. Derby Ann Saphir

[20日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のウォーシュ議長は物価安定を実現すると約束したが、財務省が19日に長期債買い入れオペの規模を倍増させると発表したことで、その実現に向けた取り組みが複雑化する可能性がある。

長期債の借入コストが急激に上昇し、世界経済全体の信用状況に悪影響を与えていることを受け、政府はこの措置を発表。FRBと財務省のどちらが、全般的な信用状況に対してより大きな影響力を持っているのかという疑問が生じた。

トレードス​​テーションの市場戦略担当グローバル責任者デビッド・ラッセル氏は「ウォーシュ氏が多くを語らない中、ベセ​ント財務長官の今日の行動により、重心がFRBから財務省に移る可能性がある。トレーダーにとっては大きな変化となるため、これが今後も続くかどうかを見極める必要がある」と述べた。

20年前の世界金融危機以降、FRBは資産買い入れによって市場を落ち着かせ、長期借入コストを引き下げてきた。しかし、今のところ、市場参加者はFRB関与の必要性を見いだしていない。

TDセキュリティーズの米金利戦略担当責任者ゲンナディ・ゴールドバーグ氏は「FRBが市場安定化のための買い入れに加わるには、現時点では非常に高いハードルがある。流動性が著しく悪化し、市場機能がまひする兆候が見られる必要があるが、現状では見られない」と話した。

最も重要なのは、FRBが金利目標レンジをなお管理できるような形で市場が機能していることであり、19日に公表された7月下旬の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨でも、それが責務を果たすための主要手段であることを確認している。

JPモルガンの米国担当チーフエコノミスト、マイケル・フェロリ氏は「FRBの短期金利コントロール能力に影響はないと考えている」と語った。

ウォーシュ氏は、中央銀行による資産買い入れを政策手段として用いることには以前から懐疑的な姿勢を示しており、現在6兆8000億ドルに上るバランスシートの縮小を主な目標としている。しかし同時に、財務省と協力し、可能な部分で連携していく意向も示している。

今後どのような金融政策を展開していくかについてほぼ説明を拒否していること、そして政策決定に至る際にどのようにデータを見ているかについてあまり指針を示そうとしないことが、ウォーシュ氏の行動見通しをさらに複雑にしている。

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