※この記事は後編です。前編「AI・ドローン軍拡でアメリカは落ちこぼれた…ドローン・AI革命を制するのは『あの国』」はリンクからご覧ください。
もし米軍が近代化を果たしていれば、世界最大の経済と最先端のAI基盤を背景に、はるかに高度で大規模な能力を発揮できたはずだ。だがそのためには、1日に数万機、あるいは数十万機のAIドローンを生産・投入し、戦争全体では数百万機に達する規模の運用能力と、AIによるリアルタイムの標的選定能力を備えた最先端の軍隊が必要だった。
現在のアメリカと欧州には、そのような能力は全くない。イラン戦争が始まるわずか3カ月前の昨年12月、米国防総省は27年までに軍用ドローンの生産を30万機へ増やす方針を打ち出した。これは、ウクライナの生産能力の約20分の1にすぎない。
中国と比べれば、その立ち遅れはさらに際立つ。今年、中国メーカーによるドローン生産は800万~1500万機に達する見込みだ。
中国は軍用ドローン群の開発も進め、ドローン群を制御するソフトウエアでは世界をリードしている。複数の中国企業が競い合い、最近では3万機を超えるドローンを同時制御する大規模な展示飛行も実現させた。
対照的に、アメリカは危険なほど準備不足だ。空母で運用する初のドローンが少量生産を認められたのは、ようやく今年5月のことだ。
だが、イラン戦争とウクライナ戦争から得られる最大の教訓は、ドローンそのものではない。AIこそ戦争と軍事力の中核になりつつあるという、より深い変化だ。
ドローンとAIは極めて相性がいい。両者は相互に進化しながら、その能力を急速に拡大させている。
近い将来、自動車、トラック、艦船、航空機、潜水艦、魚雷、人型ロボット、戦車は全てAIが制御するドローンになるだろう。地雷やミサイル、レーダー、小銃、爆弾、砲弾に至るまでAIが組み込まれ、一部では既に実用化されている。