Yasmeen Abutaleb
[ワシントン 19日 ロイター] - トランプ米大統領は、食品医薬品局(FDA)長官にホワイトハウスの政策担当補佐官ハイディ・オーバートン氏を指名した。人員流出や士気低下に加え、ワクチンや中絶薬、医薬品承認を巡る対立で揺れる同局の立て直しに向け、「米国第一(アメリカ・ファースト)」の理念を共有する側近を起用した形だ。
マカリー前長官は5月、就任から13カ月で辞任した。ホワイトハウスや保健当局の上級顧問らと対立したほか、FDAによる一連の決定を巡っても厳しい目が向けられていた。
医学の学位を持つオーバートン氏は、ホワイトハウス国内政策会議の副責任者を務めている。過去には保守系シンクタンクのアメリカ・ファースト政策研究所に在籍していた。
トランプ氏は19日、交流サイト(SNS)「トゥルース・ソーシャル」への投稿で「彼女は最も困難な問題に取り組み、国にとって最善となる解決策を私にもたらすことで知られている」とした上で「科学的発見と治療法において米国が世界のリーダーであり続けることを確実にするため、今こそFDAで彼女のリーダーシップが必要だ」と述べた。
FDAは2期目のトランプ政権下で数々の課題に直面している。ケネディ厚生長官が保健省全体で数千人を解雇した後、専門家や優秀な人材の流出が相次ぎ、士気は急低下している。
FDAでは過去1年間に幹部を含む職員3000人超が離職した。FDAが政治色を強めているとの懸念が広がる中、業界や公衆衛生団体からの信頼回復が急務となっている。
オーバートン氏は先週、トランプ氏が子どもに推奨する予防接種の削減を求める新たな大統領令を発表したホワイトハウスのイベントで演説した。
混乱に揺れるFDAの安定を求める製薬会社や医療業界は、同氏に懐疑的な目を向ける可能性が高い。
トランプ政権1期目に保健当局者を務め、現在はレイモンド・ジェームズのアナリストであるクリス・ミーキンズ氏は、業界団体がオーバートン氏の組織運営経験の乏しさを否定的に受け止める公算が大きいとし、同氏の起用によって職員の離脱が加速し、マカリー氏の退任以降に得られた前進が逆戻りしかねないと警告した。