[シドニー 20日 ロイター] - オーストラリア統計局が20日発表した7月の就業者数は前月比1万5800人減と、予想外のマイナスとなった。失業率は2021年終盤以来の水準に上昇。労働市場の緩みが広がっている可能性を示唆し、追加利上げ観測が後退した。

就業者数の市場予想は1万5000人増だった。6月の就業者数は8万0300人増加していた。

ただ7月はフルタイム雇用が1万6300人増加した。

失業率は横ばいの4.4%になるとみられていたが、4.5%に上昇。これは豪準備銀行(中央銀行)が年末までに到達すると予想していた水準を上回るペースだ。ただ、月次雇用統計は変動が大きく、過去の増加分も改定されている。

労働参加率は66.9%に低下した。総労働時間は0.6%減少し、労働市場の緩みを測る不完全雇用率は2年ぶりの高水準となる6.4%で横ばいだった。

発表を受け、豪ドルは0.2%安の0.7111米ドルとなった。市場は来月の豪中銀理事会での利上げをほとんど織り込んでいないが、年末までの利上げは五分五分と見られており、インフレ動向に大きく左右されるとみられる。

オックスフォード・エコノミクス・オーストラリアのリードエコノミスト、ベン・ウディ氏は「本日のデータは中銀が想定していたよりもやや弱く、前日発表の賃金の伸び鈍化と合わせ、当面利上げを迫る圧力を和らげる内容になった」と述べた。

中銀は労働市場が幾分緩んだと判断しており、今年に入り3回の利上げ実施後に先週の理事会で政策金利を4.35%に据え置いた理由の一つとなった。もっとも、政策当局者は、米国とイスラエルによるイラン戦争、世界的な人工知能(AI)ブーム、豪経済の潜在成長率を抑制している低い生産性などを挙げ、インフレリスクが顕在化すれば追加引き締めの可能性は排除できないとしている。

ステート・ストリートのエコノミスト、クリシュナ・ビマバラプ氏は「より大きなリスクは海外から来ている」と述べ、債券利回りの上昇、金融環境の引き締まり、エルニーニョ現象が小麦収穫に影響を与える可能性を指摘。「リスクは、経済が移行期にある中で悪天候が望ましくないインフレショックとなり、ディスインフレの進行を遅らせ、成長にさらなる不確実性を加える可能性があることだ」と語った。

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