神経内科医、睡眠専門医、てんかん専門医の資格を持つジョアンナ・フォン・イサリヤウォンセは、「この運動が一番」「重い重量を持ち上げるほどいい」といった考え方について、一概には言えない部分があると本誌に語った。

フォン・イサリヤウォンセによると、脳の健康を支える効果はそれぞれの運動によって異なることが、研究によって実証されている。筋トレは特に全般的な認知機能の助けになるとされ、早歩きなどの有酸素運動は記憶力のためになる。太極拳のようなバランスを重視する運動も、高齢者を対象とした最近の研究で良い結果が出ているという。

「つまり、一つだけの運動よりも、運動を組み合わせた方が、守れる範囲は増える」

家庭医学とスポーツ医学を専門とするセルジオ・ギトーによると、重い重量を持ち上げることが、神経を守る作用の増大や認知症発症率の低下に直結するという証拠は、現時点では存在しないという。

「分かっているのは、単にデッドリフトで最大限の重量を持ち上げようとするよりも、筋トレのほか、バランス力、連携した動き、学習能力を必要とする活動や運動の方が、認知症のリスクを低減できるということだ」。ギトーは本誌にそう語った。

脳を守るためには、単に重い重量を持ち上げる以上のことが求められるという見解では、家庭医学専門医のパース・バブサールも一致している。

継続性、正しいやり方、心肺の健康、睡眠の質、血圧管理、インスリン感受性、怪我をしないようにすることといった要因が全て、長期的な脳の健康につながるとバブサールは言い、「デッドリフトは、もし安全に行うことができれば、最高の筋トレの一つではある。ただし脳を守る最高の運動とは、安全に、段階を踏んで、継続的に行える運動のことだ。重い重量を持ち上げることも、その一部になり得る」

脳の健康を守るために、必ずしも高重量のデッドリフトを行う必要はないと専門家らは強調する。

筋トレマシン、トレーニングチューブ、自分の体重で負荷をかける自重トレーニング、ウォーキング、太極拳などはいずれも、怪我のリスクを抑えながら脳の健康を守る効果が期待できる。

身体の可動域に制限がある人や、過去に怪我をしたことがある人などは、スクワット、踏み台昇降、トレーニングチューブを使った運動などが取り入れやすいとギトーは指摘している。

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