Tamiyuki Kihara
[東京 19日 ロイター] - ルビオ米国務長官が国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子所長らを制裁対象に加えたと発表したことを受け、高市早苗首相は19日、記者団に対し「大変残念に思っている。これからも米国を含む関係国と意思疎通を継続しながら対応していく」と述べた。
これより前、日本外務省は「今回の措置は大変残念だ」などとする外務報道官談話を発出した。同省幹部は同日朝、「ICCにとっていいことであるわけがない」と不快感を示し、日本がICCを一貫して支持してきた立場に変わりはないと強調した上で、米国との意思疎通を続けていくと述べていた。
外務報道官談話では、「我が国は、国際社会における最も重大な犯罪の処罰と撲滅、法の支配の徹底のため、常設の国際刑事法廷であるICCを一貫して支持してきている。このような立場から、今回の措置は大変残念だ」とした。その上で、日本として引き続き関係国などと意思疎通を取りつつ、「国際社会における法の支配の強化に取り組んでいく考えだ」と結んだ。
中谷元・元防衛相らが共同代表を務める「人権外交を超党派で考える議員連盟」は19日、制裁について「ICCを機能不全に陥らせること自体を目的としている」などとした非難声明を発表した。
赤根氏は2024年、日本人として初めて所長に選出された。日本政府はこれまで、「ICCの発展を支援し、国際社会における法の支配の推進に積極的に貢献していく」との基本的立場をとっている。前出の幹部は談話発出に先立ち、日本の立場に変更はないと説明した上で、「米には日本の姿勢を絶えず伝えてきた」と語った。別の同省幹部は「日米関係全体に悪い影響を及ぼさないようにすることが大事だ」と述べた。
ルビオ氏は今年7月、ICCについて「米政府が利用できるあらゆる手段を用いて、その脅威を排除していく」などと発表した。これについて茂木敏充外相は同月の記者会見で、「我が国は重大な犯罪行為の撲滅と予防、法の支配の徹底を重視している。その中で常設の国際刑事法廷であるICCを一貫して支持してきている」と説明。「米の発表について懸念を持って注視している」と語っていた。
米国はICCに加盟しておらず、ICCには米国民、とりわけ軍関係者を捜査・訴追する権限はないとの立場をとっている。
(鬼原民幸 編集:橋本浩)