「宗教とは周りとどう接するかということそのもの」と考えるイスラム教の聖書であるコーランは、「あなたがたが挨拶された時は、更にそれより良い(丁重)な挨拶をするか,または同様の挨拶を返せ(Sorah An-Nisa ( The Women ) - Verses No.86)」と挨拶の大切さを伝えている。また、「人(同胞)に微笑むこそ、善徳なり」と言葉だけでなく、身体動作を含む挨拶が人間関係や平和な社会作りにとって重要であると諭している。
日本人の挨拶観とは少し異なるかもしれないが、アラブ人にとっては、挨拶する相手が毎日会っている人であるからこそ、熱烈に時間をかけて挨拶し、身振り手振りで表現し、いかにあなたに会いたかったかと熱く伝えることが何より大切なのである。
20年以上も前の話だが、私が生まれ育ったカイロの、とある地域の一角に老舗のクリーニング屋があった。その店のおやじさんの口癖は、「挨拶と笑顔は、善徳なり」だった。そして、おやじさんのその声は今も色あせることなく、ここにある。

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