Enas Alashray Steve Holland Nafisa Eltahir

[カイロ/ワシントン/ドバイ 8日 ロイター] - イランのアラグチ外相は8日、ホルムズ海峡の新たな航路に関しオマーンとの合意が「非常に近い」としつつも、通航の本格的再開は米国の賠償など他の条件次第だと述べた。オマーンは、交渉は「前向きで建設的」だとする一方で、海峡での新たな船舶攻撃を批判した。アラブ首長国連邦(UAE)は、イランが海峡で新たに船舶を攻撃したと発表した。

ホルムズ海峡を巡るイランとオマーンの合意は、戦闘終結に向けた広範な合意に不可欠と見なされている。

米当局者は7日、原油輸送の再開に向けイランとオマーンの間で近く合意が成立するとの見通しを示した。

「支障なく商業海運を回復させる合意が発表されれば、米国はイランの港湾封鎖を解除する」とロイターに語った。ただイランによる約束履行が条件だとした。

アラグチ氏は、イラン側とオマーン側で分離する従来の通航方式はもはや受け入れられないとした上で、恒久的な航路を巡る技術的、法的な問題が解決されるまでの間、両国が暫定的な航路について協議していると説明した。

イラン最高国家安全保障委員会のゾルガドル書記は、米国のイランに対する脅威の終結、イランおよびレバノン、パレスチナ、イエメン、イラクの親イラン組織に対する攻撃の停止、イランへの封鎖と制裁の解除、イラン資産の凍結解除などを要求した。

イランのイスラム革命防衛隊の報道官は、「米国がイランの条件を受け入れれば、ホルムズ海峡は確実に再開される」と述べ、オマーンとの交渉が海峡開放と直接関係しているわけではないとした。タスニム通信が伝えた。

イランの通信社によると、同国のペゼシュキアン大統領は、今が合意にとって最良の時期との認識を示した。「国内には結束、力、団結があり、私の知る限り、イランはこの戦争で勝利を収め、強力だと見なされている」と述べた。

<オマーン「交渉は前向き」 船舶攻撃を非難>

オマーンは、イランとの交渉は「前向きで建設的」だと述べた。一方、ホルムズ海峡でイランが船舶を攻撃したとUAEが発表したことを念頭に、攻撃の当事者を名指しせず、船舶への度重なる攻撃を非難した。

オマーン外務省は、「全ての当事者の利益を考慮し、これらの交渉や達成された進展に影響を与えかねないいかなる行動も避けることの重要性を強調する」と表明した。

UAEは8日、自国の国営石油会社に関連する輸送船が海峡通航中にイランからミサイル攻撃を受けたと発表した。負傷者は報告されていない。英海事機関UKMTOによると、船舶が正体不明の飛翔体に被弾して火災が発生したものの消し止められ、環境への影響は報告されていない。

イラン当局からの直接のコメントは得られていない。

米中央軍は8日、現在の封鎖が始まって以来、人道支援目的で30隻以上の船舶の通過を許可したと交流サイト(SNS)での声明で明らかにした。これまでに53隻を退去させ、2隻を無力化し、別の2隻に立ち入り検査を行ったとしている。

ここ数週間、トランプ政権は海峡開放に向けた合意が近いと繰り返し示唆してきたが、イラン側はその都度、交渉が進行中であることを否定してきた。今回の交渉の活発化がより恒久的な取り決めにつながるかは不透明だ。

イランでは2月の紛争勃発以降、食料など生活必需品の価格が急速に上昇している。ペゼシュキアン大統領は8日の記者会見で、基本物資の輸入が困難になっているとして米国を非難した。人道支援を対象にした封鎖の例外措置には言及しなかった。

イラン政府高官と中東当局者が5日、ロイターに明らかにしたところによると、イランと米国の戦争終結を後押しするためイランとオマーンの間で提案されている合意案が、ホルムズ海峡を通じてペルシャ湾に入る船舶の管理権をイランに与える内容であることが分かった。実現すれば、イランに対する大きな譲歩となる。

米当局者はこれまで、エネルギー供給にとって世界で最も重要な貿易路であるホルムズ海峡をイランが支配することには絶対に同意しないと繰り返し述べてきた。

Reuters Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。