[ニューヨーク 7日 ロイター] - 7日に発表された7月の米非農業部門雇用者数が予想外に減少したことを受け、金利先物市場では連邦準備理事会(FRB)が来月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げに踏み切るとの観測が後退した。複数のFRB当局者が今週、根強いインフレへの対応として利上げを主張していた中での動きとなった。

米労働省が発表した7月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は2万3000人の減少。6月分は5万7000人増から2万人増に大幅に下方修正された。失業率は4.1%で、6月の4.2%から低下した。

LSEGのデータによると、金利先物市場が織り込む9月の利上げ確率は43.9%と、雇用統計発表前の57%から低下。FRBが同会合で金利を据え置く確率は60.4%と、統計発表直前の43.2%から上昇した。

雇用情勢の下振れは、比較的安定していた労働市場が考えられていたよりも脆弱である可能性を示唆している。FRB当局者はインフレ抑制を目的とした利上げが、既に低水準にある雇用にどのような影響を及ぼすかについて、より慎重に検討せざるを得ない状況に置かれている。

7月のFOMCではクリーブランド地区連銀のハマック総裁、ダラス地区連銀のローガン総裁、ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁の3人が利上げを主張し、金利据え置きに反対票を投じた。FOMC後も、複数のFRB当局者が利上げに強い関心を示したり、今後の経済情勢次第で利上げに前向きな考えを示したりした。

現在、FOMCで投​票権を持たないカンザスシティー地区連銀のシュミッド総裁は4日、「高すぎる」インフレ率​を目標の2%に戻すには、何らかの金融引き締めが必‌要だとの認識を示した。セントルイス地区連銀のムサレム総裁は6日、FRBが先週のFOMCで利上げす​べきだったとの見解を示し、利上げを支持する他の当局者に賛同し‌た。

<焦点は引き続きインフレ>

FRBの政策を巡る市場の見方が変化する中、多くのエコノミストは依然として利上げ路線が維持されるとの見方を示している。米資産運用大手ブラックロックのグローバル債券担当最高投資責任者(CIO)、リック・リーダー氏はメモで、雇用統計がタカ派的な政策見通しを覆すものではないとの見方を示し、「FRBはおそらく引き続き労働市場を注視しており、この点において根本的な変化はないと思われる。したがってFRBは今後もこれまで以上にインフレ動向に注目し続けるだろう」と述べた。

一方、シティバンクのアナリストは「労働市場データの軟化と今後見込まれるインフレ鈍化により、FRB当局者は再びインフレの上振れリスクと雇用の下振れリスクのバランスを取る必要が出てくるだろう」と指摘。「利上げの可能性は低く、われわれは次の動きは依然として利下げになるとみている。基本シナリオは10月の利下げだ」との見方を示した。

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