[ニューヨーク/ロンドン 5日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、先週の日米協調介入を受け、円が対ドルで157円台半ばから後半にかけて落ち着いた値動きとなった。ドルは米国とイランの戦闘終結に向けた期待が再び高まったことで「有事の買い」が後退し、対主要通貨で約6週間ぶりの安値圏で推移した。
終盤の取引で、円は対ドルで157.72円と小幅高。前日は0.4%下落していた。
日米両政府は約40年ぶりの円安・ドル高を食い止めるため、7月31日に外国為替市場で協調介入を実施。ベセント米財務長官は4日のCNBCのインタビューで、トランプ政権は日本の通貨安定に向けた取り組みを支援するため、「米経済や米納税者に利益をもたらす形での日本支援へ必要なことは何でも行う」と表明。円の著しい過小評価により、経済問題のほか、他の国による競争的な通貨切り下げが引き起こされる恐れがあるとし、そうした状況は「健全ではない」と述べた。
ベセント長官はその後、5日に放映されたNHKとのインタビューで、日銀の植田和男総裁が「日本経済にとって最善の措置を講じると確信している」とし、円安是正には「日本の政策が着実に実施されていくことを確認する必要がある」と語った。
バノックバーン・キャピタル・マーケッツのチーフ市場ストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は「中銀は特定の為替水準を防衛しているわけではないと思うが、市場では中銀の介入姿勢や決意を試そうとする動きが出る」と予想。「こうした動きを正当化するファンダメンタルズ面の根拠は市場に存在している。7日に米労働省が発表する7月の雇用統計がそうした根拠の1つになる可能性がある」と述べた。
CIBCキャピタル・マーケッツのG10通貨戦略責任者ジェレミー・ストレッチ氏は、今回の為替介入について「応急処置」という表現が当てはまると指摘。1)日銀がより積極的な利上げ姿勢を示す、2)米連邦準備理事会(FRB)の利上げ観測が後退する、3)原油価格が下落する、という3つの条件のいずれかが満たされない限り、今回の対応は単なる「封じ込め策」に過ぎないと受け止められると述べた。
ドルは日米協調介入を受け対円で3カ月ぶりの安値を付けたものの、その後は持ち直しており、為替介入の長期的な効果に対し市場で懐疑的な見方が出ている可能性が示されている。
LMAXグループの市場ストラテジスト、ジョエル・クルーガー氏は「追加介入のリスクは引き続き高いと見ているが、円安が新たに進行したり、市場が混乱したりしない限り、再介入に踏み切るハードルはこれまでよりも高くなる」と指摘。「為替介入は円安進行のペースを鈍らせる効果はあるが、過去の事例をみると、基調的なファンダメンタルズが変化しない限り、長期的な相場トレンドが変わることはほとんどない」と述べた。
終盤の取引で、主要6通貨に対するドル指数は0.16%安の99.70。
ユーロ/ドルは0.17%高の1.1552ドル。
ドル/円 NY終値 157.74/157.76
始値 157.70
高値 157.81
安値 157.32
ユーロ/ドル NY終値 1.1551/1.1555
始値 1.1539
高値 1.1559
安値 1.1541