Krisztina Than Luiza Ilie
[ブダペスト/ブカレスト 4日 ロイター] - ルーマニアは4日、干ばつで水位が低下したドナウ川の水を国内で唯一稼働しているツェルナボダ原発へ引き込むため、仮設堤防の建設を進めた。一方ハンガリーのマジャル首相は、同国のパクシュ原発で唯一稼働中のタービンは安全に運転を続けていると明らかにした。
パクシュ原発とツェルナボダ原発はいずれも冷却水としてドナウ川の水を利用しているが、ドナウ川の記録的な低水位により発電量が大幅に抑制されている。両国政府は電力の輸入を拡大するとともに、家庭や企業に節電を呼びかけている。
ルーマニア国営原発会社ヌクレアレクトリカは通常、国内電力需要の約5分の1を賄っているが、ドナウ川の水位が低下したため、先週初めに2基ある原子炉のうち1基の運転を停止した。
ハンガリーのパクシュ原発も、4基あるタービンのうち3基が止まり、現在の稼働率は1割強にすぎない。当局は残る1基が停止に追い込まれる事態を回避するため、ドナウ川の水位を厳重に監視している。
ハンガリーのマジャル首相は、ブダペスト南方のパクシュ原発へ向かう前にフェイスブックへ投稿し、「午前1時30分ごろには、あと数ミリ水位が下がればパクシュ原発が全面停止するところだった。しかし、その後は水位低下が止まり、朝までに1.5センチ上昇した」と説明した。
その後、原発から配信したフェイスブックの動画では「6日ごろにはオーストリアのドナウ川流域でかなりまとまった雨が降る可能性がある」としつつ、その雨が実際にドナウ川の水位回復につながるかどうかは不透明だと述べた。
一方ルーマニアの国営水資源管理当局は、ドナウ川の分岐流路に岩石を積んだ4隻のはしけを沈めて仮設堤防を築き、ツェルナボダ原発に向かう水量を増やす工事を進めている。これに先だって3日には、はしけを沈設する前に水の流れを改善するため、ルーマニア海軍が川底の岩盤を爆破した。当局によると仮設堤防は5日か6日までに完成する見通し。
ハンガリーでは、政府の要請を受けて家庭や300社を超える企業が自主的に節電を実施したことで電力需要が低下し、送電網への負担も軽減された。ただマジャル首相は、猛暑が続く中、今週が極めて重要な局面になると警戒感を示した。政府は今のところ産業向け電力に強制的な使用制限は課していないが、状況がさらに悪化した場合の導入の可能性を排除していない。
ルーマニアでも政府が家庭や企業、公共機関に節電を呼びかけている。