Joseph Ax Jason Lange

[ワシントン 4日 ロイター] - ロイター/イプソスが実施した最新の世論調査によると、米野党民主党支持者の中で「リベラル」を自認する層が明確な多数派となり、国民皆保険の実現や人工妊娠中絶へのアクセス拡大、富裕層に対する増税を必要不可欠な政治的立場と考えていることが分かった。近年になって民主党が左派寄りにシフトしている傾向を浮き彫りにした形だ。

折しも中西部ミシガン州の米上院議員選挙に向けた民主党候補を決める4日の予備選挙では、左派系の医師アブドゥル・エルサイード氏が、中道路線の連邦下院議員ヘイリー・スティーブンス氏と指名争いを繰り広げている。この議席は、民主党が11月の中間選挙で上院の過半数奪還を目指す上で極めて重要とみられている。

3日まで6日間にわたって行われた調査によると、自らを「リベラル」と位置付ける民主党支持者の割合は、2012年の55%から71%へ上昇。一方で「保守」と回答した割合は33%から16%へと大きく低下した。

リベラル派の民主党支持者の76%は「企業や億万長者への増税」がリベラルを名乗る上で必須の政策だと回答した。さらに72%は中絶へのアクセス拡大を、71%は全ての米国民に政府提供の医療保険を保障することを、リベラルにとって欠かせない目標だと考えていることも明らかになった。

民主党の予備選は今年に入り、左派系の新人候補が党主流派支援の中道系候補に相次いで勝利している。ミシガン州の予備選では、スティーブンス氏が上院民主党トップのチャック・シューマー院内総務や州内有力民主党議員らの支持を受けているのに対して、エルサイード氏は、リベラル派の代表格であるバーモント州選出の民主党系無所属のバーニー・サンダース上院議員が応援する構図だ。

サンダース氏と同様に、エルサイード氏は「メディケア・フォー・オール(国民皆保険制度)」を提唱。この制度は全ての米国民に公的医療保険を提供する構想で、左派勢力の象徴的な政策となっている。スティーブンス氏は民間医療保険への補助金拡充を訴える。

選挙戦ではイスラエルを巡る問題も大きな争点。スティーブンス氏はイスラエルへの軍事支援継続を支持し、同氏の選挙運動には米イスラエル公共問題委員会(AIPAC)から支援を受けた数千万ドル規模の資金が投入されている。対照的にエルサイード氏はイスラエルがガザで「ジェノサイド(集団虐殺)」を行っていると厳しく批判し、あらゆる支援の停止を求めている。

ロイター/イプソス調査によると、イスラエルへの軍事・経済支援を支持する民主党支持者は16%にとどまり、57%が反対の立場だ。リベラル派の民主党支持者に限ると、80%超がイスラエルへの支援縮小または停止を「重要」もしくは「不可欠」なリベラルの立場だと回答し、「重要ではない」と答えたのは18%だった。

与党共和党支持者では、89%が自らを「保守」と位置付けており、12年の82%から緩やかに上昇した。ただ共和党内では保守を自認する人々の間でも、どの政策を「不可欠」とみなすかについては民主党ほど一致していなかった。

保守派共和党支持者の56%は「移民受け入れ数の削減」を保守にとって不可欠な立場だと応えた。連邦政府の規模縮小を保守の本質的な目標だと考える保守派共和党支持者は50%にとどまった。

今回の調査はオンラインで全米を対象に実施され、4505人の米国成人から回答を集めた。

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