Simon Lewis Humeyra Pamuk

[ワシントン 4日 ロイター] - 米国務省高官は4日、ブラジル政府がトランプ米政権の駐ブラジル大使人事に対する正式な承認を保留し複数の米外交官への査証(ビザ)発給も拒否していることを受け、ブラジルの駐米大使マリア・ルイーザ・リベイロ・ビオッティ氏のビザを取り消したと明らかにした。

高官によると、問題が解決されればビオッティ氏のビザは復活される見通し。高官は記者団に「今回の措置は米国駐在のブラジル上級外交官のビザを取り消したものであり、国外退去を求めたわけではない」と述べた。その上で米国が指名した大使候補に対しブラジル側がアグレマン(接受国による事前同意)を与えれば、ビザは復活すると説明した。

こうした動きの背景には、トランプ米大統領とブラジルのルラ大統領の対立が深まっていることがある。トランプ政権側は、ルラ政権が保守派に対する言論統制を行っているほか、司法手続きで不公平な扱いをしていると批判。一方のブラジル政府は、米国が中南米政治に介入し、保守勢力を後押ししようとしていると反発している。

ブラジル政府は現時点でコメントしていない。

ブラジル政府は先月、米国務省民主主義・人権・労働局の職員らに対するビザ発給を拒否したと発表。ブラジル側は、これら職員の訪問が10月の選挙を前に国内の選挙制度を弱体化させることを目的としていると主張していた。またブラジル政府は数週間にわたって、トランプ氏が6月1日に指名したダニエル・ペレス駐ブラジル大使候補のアグレマンを保留している。ペレス氏は米フロリダ州下院議員で、ルビオ国務長官の側近として知られる。

ロイターは先週、関係筋の話として、ブラジル政府がアグレマン付与を引き続き見送った場合、米政府が対抗措置を取る可能性があると報じていた。

米国務省高官は「米外交官が両国間の通常業務を行うことが妨げられている状況だ。長期間アグレマンが認められず、行き詰まり解消の見通しもないため、ブラジル側外交官に対して相応の措置を取った。一方的な状況は受け入れられないことを示すためだ」と述べた。

一方で高官は、米国がブラジルとの関係を重視していることに変わりはないと強調。「ブラジル国民が自由で公正な選挙を通じて選んだ政府を尊重する。われわれはブラジル側と正常で生産的、かつ透明性の高い関係に戻ることを望んでいる」と語った。

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