Gertrude Chavez-Dreyfuss

[ニューヨーク 28日 ロイター] - 中東情勢が流動的で予断を許さない中、米債券投資家は、質の高い資産を選好し、一方向に大きく賭けることを避けている。

28─29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)は、政策金利の据え置きが予想されている。しかし、今月、イラン情勢が再び緊迫化し原油価格が高騰したことで、インフレ高進が意識され、金融政策の先行きを見通しづらくなった。

CMEのフェドウオッチによると、今週のFOMCでの利上げ確率は27日時点で36%と、1週間前の16%から上昇した。26年末までに43ベーシスポイント(bp)の利上げが行われるとの見方が示されている。

金融政策見通しが不透明な中、運用担当者は、積極的にデュレーションを長期化したり、信用リスクをさらに取る理由はないとみている。

こうした姿勢は、JPモルガンの最新の米国債顧客調査にも表れている。投資家のポジションは1週間前からほとんど変化なく、ロング、ショート、ニュートラルの各ポジションはいずれも過去4週間の平均付近にとどまった。

BNYの最高投資責任者(CIO)、ジェイソン・グラネット氏は今週のFOMCについて、2週間前は大きな波乱はないと予想していたが、その後、エネルギー価格上昇に伴うインフレ懸念再燃で不確実になったと指摘。「今は意味のあるポジションを取るべき環境ではないと思う」と述べ、29日の決定に向けてポジションを縮小し、厳格なリスク管理を行うと述べた。長期的には金利が上昇すると引き続き予想しているものの、今週の決定に大きな賭けをするのは賢明ではないという。

シュローダーの米国債券部門責任者、ニール・サザーランド氏は「FRBの決定自体は最も関心が薄い部分だ」とし、「重要なのは、次の行動へのハードルが上がったのか、それとも下がったのかということだ」と語った。

FRBが最終的に市場の動きに追随して利上げを行うと全ての投資家が考えているわけではない。

アライアンス・バーンスタインのチーフ米国エコノミスト、エリック・ウィノグラッド氏は、予想を下回った最近のインフレ指標と労働市場の安定で、利上げの必要性が低下したと指摘し、利上げは予想していないと述べた。

「最近のインフレの大部分はエネルギー価格の上昇によるもので、金融政策では対応しきれない典型的な供給ショックだ」と述べ、足元の米債利回り急上昇は、原油主導のインフレ懸念というよりは、実質利回り、つまりインフレ調整後の利回りの上昇によると指摘した。

FRBが差し迫った行動を起こさないこと、堅調とみられる成長、実質利回りの上昇が組み合わさり、政策決定前にデュレーションやイールドカーブのリスクを設定することは「非常に困難な環境」だと述べた。

<質の追求>

市場の織り込みが利上げにシフトする中、シュローダーのサザーランド氏は、デュレーションについてほぼ中立スタンスを維持し、アロケーションは社債から証券化資産、モーゲージ債、一部の地方債へとシフトさせている。これらの資産では、投資家は依然として5.5─6%の利回りを得られる質の高いポートフォリオを構築できる。

ヌビーンも大半のポートフォリオで「ニュートラル」を維持し、イールドカーブの長期部分よりも短期および中期国債を選好している。債券戦略責任者のトニー・ロドリゲス氏は「FRBは利下げしないだろうから、イールドカーブの短期から中期部分がより魅力的に映る」と述べた。

また、信用リスクを積極的に高めることに価値はほとんどないとし、多くのセクターの社債スプレッドにはすでに楽観的な成長見通しが反映されていると指摘した。

しかし、経済の不確実性が残り、米国の金利軌道に関するコンセンサスがほとんどない中、投資家はクレジット市場の一部に見られる割高なバリュエーションが、幅広いリスクテイクよりも銘柄選択の必要性を浮き彫りにしていると述べている。

「クレジットスプレッドは歴史的に非常に割高で、目まいがするようなバリュエーションになっている」と指摘するサザーランド氏は、不確実性が極めて高く、債券の中でどこにリスクを割り当てるか、より一層の識別力が求められていると語った。

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