Tamiyuki Kihara

[東京 27日 ロイター] - 高市早苗首相は27日、特別国会の閉会を受けた記者会見を首相官邸で開き、今国会の反省点について「マーケットへのメッセージ」の重要性に言及した。一方で、「責任ある積極財政」を進めていく決意を改めて強調した。足元の経済状況については、経済学的に「インフレの状況にある」との認識を示しつつ、経済成長に伴って金利も上昇していくとの考えを語り、様々な経済指標や市場動向を注視しているとも話した。

記者団から25日に閉会した特別国会を通じての反省点を問われた高市氏は、「国家・国民のために仕事をしていくだけだ。反省点は特にない」と述べた。ただ、その直後に「とにかくがむしゃらに政権公約を一つでも多く実現しようと頑張ってきた」と振り返りつつ、「あえて言えば、もう少しマーケットへのメッセージ、市場への発信、こういったことが重要になってくるんじゃないかなと思っている」と付け加えた。

国会会期中、市場では円安・債券安が進んだ。危機管理投資や成長投資などの積極財政への懸念が市場の不安につながっているとの指摘もある。高市氏の発言は、自身が重要性を強調する市場の信認が、現状では不十分だとの認識を示したものとみられる。

一方、記者団から現在の経済状況がインフレ状態にあるのか問われると、消費者物価指数やGDP(国内総生産)デフレーターが上昇基調にあると説明。「物価の持続的下落という意味でのデフレの状況ではないと考えている」とした上で、「何をもってインフレと言うのかという議論はあるが、経済学的に物価上昇それ自体をインフレと呼ぶのであれば、いまはインフレの状況にあると思う」と語った。

デフレに後戻りしない状況か否かは慎重に判断する必要があるとし、「デフレ脱却宣言」をする状況にはないとも指摘。「経済が成長すれば自ずと金利もそれなりに上がっていく」との考えを述べた上で、「経済財政運営にあたっては様々な経済指標や日々の市場動向もしっかり注視している。強い経済と財政の持続可能性をバランスよく実現することが何より大事だ」と強調した。

消費減税については、「社会保障国民会議」の実務者協議での結論を得た後、秋に予定される臨時国会に関連法案を提出したい考えを改めて示した。

外交に関しては、課題となっている日中関係に触れた。記者団が中国との関係改善をどう図るか問うと、「中国は重要な隣国だ。戦略的互恵関係を包括的に推進し、建設的かつ安定的な関係を構築していくという方針は首相就任以来、一貫している」と説明。「懸念と課題があるからこそあらゆるレベルで様々な機会に対話を行い、意思疎通をしていくことが重要だ。茂木(敏充)外相も含め、いま様々なレベルで対話をしている」と明かした。11月に中国・深圳で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)で習近平国家主席と首脳会談をするつもりがあるかとの問いには、「APECの首脳会議、楽しみにしている」と述べるにとどめた。

(鬼原民幸 編集:久保信博)

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