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[シンガポール/北京 26日 ロイター] - 低価格商品を扱う中国発のインターネット通販サイト「SHEIN(シーイン)」が26日公表した香港での新規株式公開(IPO)目論見書によると、2026年第1・四半期(1-3月)の最終損益は9900万ドルの赤字となった。前年同期は3億9500万ドルの黒字。米国による少額輸入品への関税免除措置の廃止に伴う売上高の減少や、一時的な会計処理費用の計上が膨らんだことが響いた。
シーインは中国証券監督管理委員会(証監会)から10日に香港上場の承認を取得。ニューヨーク、ロンドンでの上場計画が停滞した後、香港でのIPO実現に向けた手続きを進めている。目論見書では、公募規模や想定価格、上場時期、調達額は明らかにしていない。
第1・四半期の赤字には、転換償還優先株に関する公正価値評価の変更に伴う3億2800万ドルの評価損計上が含まれた。上場前の優先株については、上場までの間に評価額が変動するため会計上の損益が発生する。
一方で低価格商品を約160カ国で販売しているシーインは近年、成長鈍化が鮮明になっている。ロイターによると、同社はIPO時の企業価値を400億-500億ドルと見込んでいるが、2022年の資金調達時に報じられた評価額は約1000億ドルだった。
シーインは目論見書で、米国で25年5月に800ドル未満の小口貨物を無関税で輸入できる「デミニミス制度」が廃止された点に触れて、この措置が最大市場である米国の売上高や全体の成長率に悪影響を及ぼし、費用増加の要因になったと説明した。
中国から米国へ発送される商品には現在10-87.5%の関税が課されており「コスト増加の一部を相殺するため、米国での販売価格引き上げを進めている」としている。
こうした中で第1・四半期の米国売上高は20億4000万ドルで、前年同期比14.3%減少。総売上高に占める米国比率は22.5%となり、23年全体の29.4%から低下した。
欧州連合(EU)も今月、中国系通販事業者との競争是正を目的として低額輸入品に1件当たり3ユーロの手数料を導入。シーインは欧州市場への影響が米国を上回る可能性もあると警告した。
25年通期の業績は、売上高が前年比8%増の418億5000万ドルだった一方、最終利益は38.7%減の20億6000万ドル。売上高伸び率は24年の20.7%から大幅に鈍化した。
シーインはIPOで調達した資金を技術開発、ブランド認知度向上、海外展開の拡大、社会的責任活動の推進などに充てる方針。主な既存株主にはIDGキャピタル、紅杉中国、タイガー・グローバル、博裕資本、ブルックフィールド、ゼネラル・アトランティックなどが名を連ねた。ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、JPモルガンが共同主幹事を務める。