Kentaro Okasaka
[東京 24日 ロイター] - 信越化学工業は24日、2027年3月期の連結純利益が前年比10.7%増の5250億円になるとの見通しを発表した。半導体市場は人工知能(AI)関連分野が引き続き活況だが、会社側の見通しはIBESがまとめたアナリスト18人の純利益予想平均値の5668億円は下回った。これまでは中東情勢を踏まえ、合理的な予想を立てにくいとして業績予想を未定としていた。
第1・四半期(4─6月)の連結純利益は同3.5%増の1308億円だった。AI需要を背景に増量と価格修正に取り組み、シリコンウエハーやフォトレジスト、マスクブランクスなどの半導体材料の売り上げを伸ばした。電子材料事業全体では営業利益が同23%増となった。
斉藤恭彦社長は決算説明会で、電子材料は「AI関連市場の拡大にけん引された先端部門が引き続き好調だ」と説明。他の分野にも波及効果をもたらし、電子材料全般が活況を呈し「ウエハーに限らず、当社の手掛ける多くの品目で現行生産能力を上回る供給要請が来ている」と語った。300ミリのウエハーで作りきれないデバイスが200ミリで製造される事態も一部で起きているという。
一方、塩化ビニールは、中東情勢を受けた原料・エネルギー価格上昇を契機に全製品の値上げを推進。だが、5月後半にアジアと周辺地域で在庫過多や需要減退から市況に変調が生じ、価格が下振れし始めたという。このため生活環境基盤材料事業は営業利益が同34%減となった。
通期の配当予想は116円(前年は106円)とした。