<油井さん自らが発案し、各所に働きかけて実現したという「地球を共に感じよう」プロジェクト。その立ち上げ意図や成果、余暇時間を使ってまで取り組んだモチベーションの源泉に迫った>

2025年8月~26年1月までISS(国際宇宙ステーション)に長期滞在をした油井亀美也宇宙飛行士に、独占インタビューをしました。

今回、深掘りしたテーマは、関係者の間で「油井さんコラボ企画」と呼ばれている、ISSで油井さんが宇宙から撮影する地球と、地球観測衛星のデータ、自然災害に関する様々な情報を連動させて、新しい視点で地球をより深く知ってもらったり、感じてもらったりしようという試みです。

「地球を共に感じよう~宇宙から見る私たちの未来~」と名付けられたこのプロジェクトは、宇宙にいる油井さんとJAXA(宇宙航空研究開発機構)の地上の研究者、CONSEO(衛星地球観測コンソーシアム*1)、防災科研(防災科学技術研究所*2)が連携して行っています。油井さんが提案し、各所に働きかけることで実現しました。

「宇宙飛行士の目」がとらえる地球が反映された油井さんの写真と、「衛星の目」がとらえる「地球を見守る科学データ」を組み合わせた時、私たちはどのような「新しい地球の姿」を知ることができるのでしょうか。

また、油井さんはどのような想いを込めて「地球を共に感じよう」プロジェクトを立ち上げたのでしょうか。大いに語っていただきました。

※1 CONSEO(衛星地球観測コンソーシアム):日本の地球観測衛星の利用者や出資者を含めた産学官が主体となり、衛星データの利用を社会に広げたり、今後の開発、国際競争力の強化などの戦略を総合的にまとめたりすることを目的としたコミュニティ。社会実装、社会貢献のための共創を目指して2022年9月に設立。現在、約350の法人・団体会員が参加している。

※2 防災科研(防災科学技術研究所):防災に関する科学技術の研究を行う文部科学省所管の国立研究開発法人。研究内容は、地震、火山、津波、極端気象災害(豪雨、洪水、土砂災害、暴風、大雪など)、社会防災など多岐にわたる。

「地球を共に感じよう」企画立ち上げの経緯

 油井さんは今回のISS長期滞在で、JAXAの研究部門やCONSEO、防災科研とともに「地球を共に感じよう」というプロジェクトを実施されました。私は最初に聞いた時はCONSEOや防災科研から依頼されて実現したプロジェクトかと思っていたのですが、その後、関係者から「あれは油井さんのほうから『ぜひやりたい』と働きかけていただいたんだよ」と伺いました。「地球を共に感じよう」企画を思い立ったきっかけや背景を教えていただけますか?

油井 2015年の1回目のISS長期滞在ミッションから帰ってきた後、たぶん4〜5年前になると思うのですが(※2022年に就任)、CONSEOの広報アンバサダーにと依頼されました。引き受けると、それをきっかけに様々な関連イベントに行くようになりました。

そういう背景があって、今回、10年ぶりにISS長期滞在ミッションにアサインされたのですが、その時にふと思ったんです。

私は前回のミッションでもたくさんの写真を撮っていて、色々な方に見ていただいて、それなりの反響がありました。でも、「もしかしたら、(CONSEO広報アンバサダーとして深く関わっている)地球観測衛星で撮ったデータと宇宙で私が撮った写真の2つが組み合わさったら、もっと新しい価値が生まれるんじゃないかな」と。

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