ミッキー・マクマスターさんが乗っているのは、彼にとって12台目となるピックアップトラックだ。

テキサス州ディケーターで農業機器を販売する61歳のマクマスターさんは2週間前、長いこと働き続けた自分へのご褒美に、2019年型「GMCデナリ」を約6万9000ドル(約760万円)で購入した。

「私にとって、これはピックアップ版キャデラックだ。まぎれもなく高級車だ」とマクマスターさんは言う。「私はこういう車を買えるようになるまで働いてきた。この車は、私がこれだけ稼いできたのだと示してくれる」

ゼネラルモーターズ(GM)はミシガン州フリントの工場で同社として最も大型の新世代ピックアップを生産するため、新たに1000人の採用を計画している。同社が当てにしているのが、マクマスターさんのようなタイプの顧客だ。

テキサスなど米中部各州における大型ピックアップに対する需要は、米最大手の自動車メーカーであるGMが他地域の工場でレイオフの対象としている多くの労働者にとって頼みの綱となっている。

ほとんどのアナリストの予想通り、米国での今年の自動車需要が全体として低下するとしても、米国自動車産業のビッグスリー、そして各社の国内従業員数千人は、マクマスターさんのような顧客が大型化・高級化の進むピックアップを買い続けてくれることを期待している。

フリント工場でGMが生産しようとしているのは、大型ピックアップの新型「シボレー・シルバラード」と「GMCシエラ」であり、その中には、世界で最も利益率の高い車種に数えられる高級仕様車も含まれている。

GM、フォード・モーター、そしてフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)の商用車部門「ラム」はこのセグメントの車種を独自に生産しており、各社とも、今年投入する新型、あるいはモデルチェンジする車種に後にひけない勝負を出ている。

業界のデータによれば、大型ピックアップトラックの米国における販売台数は、2013年以降で20%以上も伸び、年間60万台以上に達している。高級仕様車の価格は7万ドルを優に超える。

GMでは5日、ミシガン州フリント工場で、「シボレー」「GMC」ブランドでの新世代ピックアップの生産開始を華々しくスタートさせる。GMによる大型ピックアップトラックの生産は、現在すべてフリント工場に集約されている。

GMは国内で従業員数千人のレイオフを進め、北米工場5カ所を閉鎖する計画を立てているが、その一方で、フリント工場では雇用を増やしている。同工場は1日3交代制で週6日操業している。マイク・ペレズ工場長はロイターに対し、「新車種の組立システムの拡大によって、生産能力は25%以上増大する」と語った。

次なる展開は......