<表1>によると、青年期の女性の減少率は東北地方で大きいようだ。中学校卒業時に東北6県に住んでいた18~39歳女性を取り出し、2024年12月時点で同県に住み続けている人を残留組、違う県に住んでいる人を流出組とする。<表2>は、出身地域でのジェンダー慣行の経験率が2つのグループでどう違うかを比較したものだ。

8つの事項について「よくあった」「時々あった」と答えた女性のパーセンテージだが、いずれも残留組より流出組で高くなっている。「家事・育児・介護は女性の仕事」の項目では、残留組は27.0%なのに対し流出組は45.7%と20ポイント近い差がついている。

若年女性の減少率が大きい東北出身女性のデータだが、残留組より流出組のほうが、旧態依然のジェンダー慣行を多く経験している。こういうことに嫌気が差し、出身地域を離れている可能性もあるだろう。都会の大学で学んだ地方出身女子が、子ども期に経験したことが不当な性差別であることに気付き、地元へのUターンをためらっているのかもしれない。あるジェンダー問題の研究者が「都会の大学でジェンダー論を学んだ学生は、田舎に帰るのを嫌がるようになる」と言っていたのを思い出す。

冒頭で触れた「鳥取宣言」では、「固定的な性別役割分担意識や無意識な思い込み(アンコンシャス・バイアス)の解消のための取組など、ジェンダー平等の実現に向けた施策」を強力に推進することを明記している。各県のトップも、旧態依然のジェンダー慣行が地域の維持・存続を脅かすことに気付いているようだ。ためらうことなく、改革に着手するべきだ。

<資料>
総務省「住民基本台帳人口」
内閣府「地域における女性活躍・男女共同参画に関する調査」(2024年)の個票

【チャート】2010年から2025年にかけての若年女性人口の増減率(都道府県別)
【関連記事】