Joanna Plucinska Dan Catchpole Shivansh Tiwary
[ファンボロー(英イングランド) 20日 ロイター] - 世界最大級の航空宇宙・防衛見本市「ファンボロー国際航空ショー」が20日に英南部ファンボローで開幕した。会場ではボーイングとエアバスが相次いで航空機の大型受注を発表した一方、ウクライナや中東での紛争を背景に防衛企業各社は低コストの迎撃ミサイルや無人機など新製品を披露し、防空能力強化への需要の高まりをアピールした。
会期は24日まで。商業航空、防衛、宇宙分野の約1600社が参加し、無人戦闘機や極超音速ミサイル、偵察衛星、人工知能(AI)を活用した兵器システムなど最新技術が展示されている。
国際航空ショーのギャレス・ロジャーズ最高経営責任者(CEO)は「世界は地政学的な不安定さの中にある。(また)商用機市場では受注拡大が続いている」と述べた。
商業航空分野では、アイルランドの航空機リース会社SMBCアビエーション・キャピタルがボーイングの中型機737MAXを100機発注。サウジアラビアの新興航空会社リヤド・エアはエアバスの大型機A350-1000を6機購入した。
このほかボーイングは、フィリピン航空から787-10を15機、リヤド・エアから追加で787を28機受注した。
関係者の話では、SMBCアビエーション・キャピタルはエアバスの単通路機約100機の発注も検討している。
業界では、ベストセラー機とされるボーイングの737とエアバスのA320ネオの後継機開発を巡る議論も活発化。航空会社幹部らは20日、技術の成熟を確認しないまま次世代機を急いで投入すべきではないとの考えを示した。
エンジン分野では、エアバスが燃料消費を最大20%削減できる可能性があるCFMインターナショナルの「オープンファン」エンジン構想を支持したのに対し、ボーイングは従来型エンジンを軸に慎重な姿勢を維持している。
GEエアロスペースは米航空宇宙局(NASA)、電動航空機開発企業BETAテクノロジーズと共同で、ハイブリッド電動推進補助システムを用いた世界初の高高度飛行を実施したと発表した。
今回の航空ショーは商業航空中心から防衛分野の存在感が増す方向になってきたのも特徴の1つで、防衛関連企業が出展社全体の半数を占めた。
ロッキード・マーチンは、ドローン(無人機)やミサイルへの対処コスト削減を目的とした新型迎撃ミサイル「PAC-3 ACE」を披露した。価格は主力の「PAC-3 MSE」の半分以下になる見通しで、量産可能な低価格兵器を手掛ける新興企業との競争激化を背景に開発された。
欧州のミサイルメーカーMBDAも、多数の低価格ドローンや弾薬による飽和攻撃への対処を目的とした新型迎撃システムの開発を発表した。
宇宙分野に関してはNASAのアイザックマン長官がロイターに、来年月着陸船などの試験を行う予定の「アルテミス3」について「予定通り進んでいる」と述べた。5月にブルーオリジンの無人ロケットが発射台試験中に爆発したものの、将来の有人月面着陸に必要な軌道上ドッキングや月着陸船の開発計画に大きな影響はないとの認識を示した。