Foo Yun Chee

[ブリュッセル 20日 ロイター] - 欧州連合(EU)欧州委員会は20日、中国電子商取引(EC)大手アリババグループのオンライン市場「アリエクスプレス」に対して、違法商品や安全基準を満たさない商品、模倣品の販売対策が不十分だったとして5億5000万ユーロ(6億2900万ドル)の制裁金を科したと発表した。

制裁金は、巨大IT企業に違法・有害コンテンツ対策を義務付けるEUの「デジタルサービス法(DSA)」に基づくもので、欧州委による同法違反の制裁金処分としては3件目となる。

欧州委は2025年6月、アリエクスプレスが違法商品の流通リスクを適切に評価・軽減していないとして違反認定した。今年10月20日までに是正措置を提示するよう求めており、提出された対策については12月に改めて審査され、不十分と判断された場合は追加制裁を受ける可能性がある。

欧州委のビルクネン上級副委員長は会見で「この件は消費者にとって非常に危険であり、EUの規則を順守している企業にとっても不公平だ」と述べた。

ビルクネン氏は、欧州での24年の利用者数がアリエクスプレスは1億9300万人、同じ中国発ECサイトの「Shein(シーイン)の1億5600万人、Temu(テム)の1億3000万人に達している点に言及するとともに「欧州市民の5人に1人は1カ月に1回、これらのサイトで買い物をしている」と述べた。

テムは既にDSA違反で制裁金を科されているほか、シーインは現在調査が進められている。

アリエクスプレスは声明で、制裁金は過大だとして不服を申し立てる方針を表明。「今回の決定と不均衡な制裁金は、当社の堅固なリスク管理体制や、これまで実施してきた積極的な改善策を考慮していない」と主張した。また欧州委と協力しながら求められる対策を進めてきたと説明した。

欧州委は、アリエクスプレスがリスク審査に十分な人員を確保しているかを適切に評価せず、違法商品の検出・削除システムの有効性を過大評価していたと指摘した。さらに「おすすめ」システムや広告配信システムが違法商品の拡散を助長していたほか、違法商品の再掲載防止策の効果測定が不十分だったと判断した。

その結果、模倣品や安全性に問題のある玩具、危険な化粧品などの違法商品が数週間にわたり販売され続けていたとの見解を示した上で、違反業者への制裁が不十分で、処分を受けた事業者が違法商品の販売を継続できる状態だったと批判した。

Reuters Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。