Sophie Kiderlin Javi West Larrañaga

[ロンドン/グダニスク 16日 ロイター] - 欧州主要企業の2026年4─6月期決算は、エネルギー企業の好調を背景に3年余りぶりの高い増益率となる見通しだ。ただ人工知能(AI)分野で米国市場のような十分なけん引役を欠く点は、引き続き投資家の懸念要素となっている。

LSEGのI/B/E/Sデータによると、欧州の主要企業の4-6月期利益は前年同期比15.3%増と予想され、これは22年10─12月期以降最も高い。

増益の主因はエネルギー業界。イランを巡る紛争の影響で原油価格が上昇し、石油・ガス大手の収益拡大が見込まれている。

米国企業の増益率は平均23.7%の見込みだが、エネルギー企業を除くと欧米間の格差はさらに大きい。欧州のSTOXX欧州600指数企業のうち非エネルギー企業の利益は6%増にとどまる一方、米S&P総合500種企業は19.6%増となる見通し。

モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメントのジタニア・カンダリ副最高投資責任者(CIO)は、AI関連収益が好調な米国企業が優位な状況は当面続くものの、欧州企業も徐々に追い上げるとの見方を示した。

一方、JPモルガン・プライベート・バンクのナタリア・リピキナEMEA(欧州・中東・アフリカ)株式戦略責任者は、欧州経済の成長鈍化を背景に慎重姿勢を維持。「欧州市場が本格的に上昇するには、昨年のドイツ財政刺激策のような新たな材料が必要だ」と述べ、投資先として米国市場と新興国市場がより好ましいとしている。

4─6月期業績は既に大方が織り込まれた点から、企業が26-27年に向けた需要見通しや利益見通しについてどのような見解を示すかがより注目される面もありそうだ。

オランダ半導体製造装置大手ASMLは15日に4-6月期決算が市場予想を上回ったことに加え、26年の売上高見通しを引き上げ、AI関連投資拡大の恩恵を受ける欧州企業の一例として市場の関心を集めた。

もっとも、欧州企業を取り巻く環境は一様に明るいわけではない。アリアンツ・グローバル・インベスターズのクリストフ・ベルガー欧州株式CIOは、エネルギー価格上昇が消費者心理を圧迫していると指摘。既に中国市場の需要減速に直面する自動車業界などには逆風となっているとの見方を示した。

来週はスイス製薬大手ノバルティス、イタリアの銀行大手ウニクレディト、ドイツのソフトウエア大手SAPと自動車大手フォルクスワーゲンなどが決算を発表する予定で、欧州企業の業績動向を左右する重要な材料となる。

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