[マニラ 17日 ロイター] - フィリピン政府は17日、中国国営英字紙チャイナ・デイリーがフィリピン人をサルとして描いた人工知能(AI)生成動画について、中国政府に抗議したと明らかにした。動画は「不快で苦痛を与え、受け入れられない」と非難した。

フィリピン政府は「卑劣なプロパガンダだ」として動画の削除を求めた。

同国外務省は声明で、「フィリピン人をサルとして描いた7月10日の動画に対し、われわれは明確に一線を画す。極めて侮辱的で、苦痛を与えるものであり、容認できない」と述べた。「法的・政治的課題を巡る意見の相違があっても、責任ある国家の公の議論にそぐわない表現を用いることは正当化されない」と指摘した。

同紙が7月10日にフェイスブックのアカウントに投稿した動画では、フィリピンの民族衣装を身にまとったサルが、米国と日本を象徴する腕から歌う内容の指示を受けている様子が描かれていた。サルは「愚か者」と呼ばれた後、「南シナ海仲裁判断」と書かれた歌詞の紙をつかみ、その後海に投げ込まれ、船から放水砲を浴びせられる。

中国外務省は17日、この動画は中国の公式な立場を代表するものではないとし、コメントはないと述べた。

フィリピンのテオドロ国防相は声明で「中国共産党による最近の一連の支離滅裂な行動は、見過ごすことも無視することもできないほど明白だ」とし「人間性を否定する今回の行為は、中国が安全で自信に満ちた主体でも、信頼できる隣国でもないことをさらに浮き彫りにした」と述べた。

今回の件が「道理や証拠、法によって自らのばかげた主張を擁護することに完全に失敗したため、人種差別や脅迫、捏造(ねつぞう)された憎悪に訴える政府の弱さ」を露呈したと指摘した。

動画が投稿された7月10日には、南シナ海における中国の広範な主張を無効とした2016年の国際仲裁裁判所の判断から10周年を記念する行事がフィリピンで行われた。中国政府はこの判断を認めていない。

中国国防省の蒋斌報道官は仲裁裁判所の判断について「法的手続きを装った政治的茶番劇であり、いかなる意味でも法的効力を持たない」と述べた。

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