Timothy Gardner

[ワシントン 16日 ロイター] - 国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長は16日、米国とイランがホルムズ海峡を通過する原油を早急に増やさなければ、世界のエネルギー安全保障が脅かされるとの懸念を示した。米シンクタンク、外交問題評議会のイベントで語った。

ビロル氏は「石油の安全保障は依然として重大な問題だ。今後数週間で状況が改善しなければわれわれは懸念を抱くべきであり、私は懸念している」と語った。

同氏は、エネルギー価格の急騰を抑えてきた要因として(1)中国が戦闘開始前に10億バレル以上の石油を備蓄していたこと(2)中国が電気自動車(EV)や公共交通機関の利用拡大を通じて石油を節約したこと(3)IEAが主導した最大4億バレルの石油備蓄の協調放出――を指摘した上で、これらは「永遠には続かない」と警鐘を鳴らした。

また、米国の増産も支えになっていると評価した上で「米国は(日量)100万バレル、200万バレルの増産を行ったが、1000万バレル増やすことはできない」とくぎを刺した。

エネルギーの80―90%をホルムズ海峡経由で調達していたアジアが最も供給危機の影響を受けたと同氏は説明。日本や韓国も苦しんでいるが、パキスタン、バングラデシュ、インドなどの途上国が最も深刻な打撃を被っているとの認識を示した。

途上国では、石油製品が高くて買えなくなったため、有害な排出物をより多く出す牛糞(ふん)や薪(まき)などの代替燃料を調理用に使わざるを得なくなっており、特に女性が健康リスクに直面しているとビロル氏は強調した。

3月に実施した最大4億バレルの石油備蓄協調放出についてビロル氏は、大規模だったが「われわれが保有する備蓄の20%に過ぎず、残りの80%は手元に残っている」と述べた。

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