[ベルリン 16日 ロイター] - ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が2027年に車両生産終了を予定しているドイツ北部ニーダーザクセン州のオスナブリュック工場を巡り、イスラエルの防衛企業ラファエル・アドバンスト・ディフェンス・システムズの進出計画を同州が支援することを検討している。この件に詳しい2人の情報筋が16日、ロイターに語った。
情報筋によると、検討されている案の1つはオスナブリュック工場の事業を2つの会社に分割する。ラファエルは工場内でイスラエルのミサイル防衛システム「アイアンドーム」の部品を製造することに関心を示している。
別の情報筋は16日、VWの本社があり、ドイツの西側に抱えている6つの自動車組立工場のうち5工場が立地するニーダーザクセン州が、この計画が成功するとの見通しを示していると明らかにした。VWの大株主であるカタールは懸念を示している。
VWは工場のラファエルへの譲渡に先立ち、ニーダーザクセン州が工場全体を引き継ぐ可能性についても検討している。その場合には州政府が従業員や将来的な事業再構築費用の責任を負うことになり、問題はさらに複雑化する。
VWとラファエルはコメントの要請に対して即座には回答しなかった。
VWは25年の利益率が21年の半分に落ち込んだ。国内での高コスト体質と過剰生産能力に苦慮しているのに加え、中国企業との競争激化、規制強化、トランプ米大統領による輸入品への関税引き上げが要因。
VWは対策として車種数を大幅に減らし、生産能力の縮小を進めるとともに、広範囲にわたる構造改革を実施する計画だ。複数の情報筋によると、これらの施策で約10万人の雇用が失われる可能性がある。