Joseph Ax Eric Cox

[ニューヨーク 16日 ロイター] - カナダで発生している数百件の山火事による煙が16日、米中西部から北東部にかけての広い地域を覆い、各地の当局は住民に対してできる限り屋内で過ごし、健康に有害な大気に身をさらすのを避けるよう呼びかけた。

大気汚染監視会社IQエアによると、ミシガン州デトロイトの大気汚染指数は600を記録し、世界の主要都市で最悪となった。これは米環境保護局(EPA)が「危険」と分類する水準の2倍に当たる。

米政府の観測データでは、ミネソタ州やミシガン州、イリノイ州北部、オハイオ州北部からカナダ・オンタリオ州にかけて危険な濃度の煙が確認された。ミネアポリスやミルウォーキー、トロントなどの都市では有害レベルに達し、ミネソタ州からメリーランド州までの少なくとも10州で「健康に悪影響を及ぼす」水準の地域が報告された。

大気汚染の悪化を受け、ミネソタ州では屋外イベントの中止が相次いだ。地元紙によると、ミネアポリス郊外の円形劇場で予定されていたロックバンド「クリード」のコンサートが中止されたほか、市内の屋外プールや自然体験キャンプ、ゴルフ場、各種屋外プログラムも閉鎖された。

ミネソタ州公害対策局は、スペリオル湖沿岸の北東部アイアンレンジ地域で微小粒子状物質(PM2.5)の濃度が1立方メートル当たり最大900マイクログラムに達し、「危険」基準の約3倍を記録したと明らかにした。

コロラド州立大のエミリー・フィッシャー教授は「大量の煙が川のように中西部へ流れ込んでいる状況だ。これは気候変動との直接的なつながりを示している」と指摘した。

煙は今後さらに悪化すると予想され、ニューヨークでは空がオレンジ色のもやに覆われて焦げたような臭いが広がった。当局は住民に屋外活動を控え、高齢者や妊婦、心肺疾患を抱える人などに外出を避けるよう要請した。

ニューヨーク都市圏では、週末にニュージャージー州で開催予定のサッカー・ワールドカップ(W杯)決勝を前に不安も高まっている。

カナダ当局の集計に基づくと、16日午前時点で国内では858件の山火事が発生し、このうち11件が制御不能な状態にある。主な火災地帯はマニトバ、サスカチワン、オンタリオの各州だ。

今シーズンにカナダで焼失した面積は約240万ヘクタールに達した。気候専門家は、地球温暖化に伴う気温上昇が世界各地で山火事の頻度と規模を拡大させているとの見方をしている。山火事の煙は数週間にわたって大気中に滞留し、数千キロ離れた地域まで到達する場合がある。研究では、山火事由来の煙が心筋梗塞や脳卒中、がん、妊娠合併症、免疫機能低下などの健康リスクと関連していることも示されている。

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