Saqib Iqbal Ahmed
[ニューヨーク 16日 ロイター] - データ分析会社オーテックス・テクノロジーズによると、先月新規株式公開(IPO)を行った米宇宙開発企業スペースXの株価が公開価格を下回ったことで、同社株を対象とする空売り筋にIPO以降で推定87億ドルの含み益が発生している。
空売り筋は、スペースXの株価が上場後高値の225.64ドルから公開価格の135ドル付近まで下落するのに伴って、弱気なポジションを拡大してきた。
スペースXの株価は乱高下し、一時的な強さを見せては再び下落する展開を繰り返している。15日には株価が初めて公開価格を割り込んだ後に持ち直して、公開価格をわずかに上回る水準で取引を終えたが、16日に再び公開価格を下回った。
オーテックスの共同創設者ピーター・ヒラーバーグ氏は「スペースXは空売り筋にとってジェットコースターのような銘柄だったが、最終的には彼らにとって非常に有利な状況となった。空売り筋は利益を確定するのではなく、下落の過程を通じてポジションを積み増し続けた」と述べた。
オーテックスの分析では、スペースXの売買可能な浮動株式のほぼ半分に当たる約49%が現在貸し出されている状態にある。
ヒラーバーグ氏は「その大部分が空売りによるものだと考えている」と語った。
スペースXはコメントの要請に回答していない。
極めて高いバリュエーションに懐疑的な空売り筋の標的にされているスペースXだが、個人・機関投資家からの強い関心に加え、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が過去に空売り筋と対決してきた経緯があることから、同社に対する弱気な賭けは高いリスクもはらんでいる。
オーテックスの試算では、相当規模の空売りポジションが存在することで株価のボラティリティーがさらに高まる可能性があり、株価が1ドル動くごとに空売り側に3億ドル以上の損益影響が生じる。つまり株価が上下双方向に大きく振れる可能性があることを意味する。