[北京 16日 ロイター] - 中国で厳しい労働市場と長期化する不動産不況が重なる中、個人向けローンの債務不履行が過去最高水準に急増している。アナリストによると、特に低所得層がさらに借金に追いやられており、状況は悪化する見通し。
15日に発表された第2・四半期の経済成長率は3年余りで最低の水準を記録。これは低迷する消費が堅調な製造業や輸出を相殺したためだ。
政府は経済を内需主導へと転換させるべく、長年にわたり消費者の借り入れと支出を積極的に促してきたが、難しいのは概して信用力の低い層だけが借り入れを求めているという点だ。
ムーディーズの銀行担当アナリスト、ニコラス・チュー氏は「信用力の高い顧客はクレジットカードの利用を減らしている」と指摘。「信用力の低い消費者が引き続き積極的に借り入れを行っており、貸し手にとって資産リスクが高まっている」と述べた。
調査会社ガベカル・ドラゴノミクスによると、家計の不良債権残高は昨年、2割以上増加し、過去最高の2兆2200億元(3245億ドル)に達した。
GDP(国内総生産)の約1.6%に相当し、中国の成人の10人に1人が債務の支払いを滞納していたことを意味するという。
中国の5大国有銀行はいずれも、個人向けローンの不良債権比率が昨年に上昇したと報告しており、中でも交通銀行は0.5%ポイント上昇して1.58%となった。
国内の主要なリテール金融機関と広く見なされている招商銀行は、今年第1・四半期の個人向け融資の不良債権比率が1.14%となり、前年同期比で0.13%ポイント上昇したと報告。同行のクレジットカードに関する延滞率は第1・四半期に1.90%に達し、0.15%ポイント上昇した。
これらの数値は比較的低い水準にとどまっているものの、アナリストらは総じて、実際の不良債権は銀行が報告している数値よりも高いと見ている。