Dan Burns
[ニューヨーク 15日 ロイター] - 米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は15日、米国のインフレ率はなお高すぎる水準にあるものの、すでにピークを付けた可能性があり、近く鈍化し始めると考える根拠はあると述べた。同時に、米連邦準備理事会(FRB)の金融政策はインフレ目標の達成に向け適切な位置にあるとの考えを示した。
ウィリアムズ総裁は講演で「インフレ率は約4%と、間違いなく高すぎる。FRBが長期的な目標としている2%を大幅に上回っている」と指摘。過去1年間にインフレを押し上げた主な要因として、関税引き上げ、サプライチェーンの混乱、中東での戦争に伴うエネルギー価格の急騰、人工知能(AI)関連技術への旺盛な企業投資を挙げた。
ただ「インフレはすでにピークに達しており、向こう数四半期にわたり徐々に低下していくと期待できる心強い理由がある」とも言及。こうした見方を支える理由として、関税に起因する物価上昇はおおむね出尽くしたこと、住居費インフレが引き続き低下基調を維持すると見られていること、原油価格がすでにピークを付けた可能性があることなどを挙げた。
その上で「総合インフレ率は年末までに3.25%前後に低下し、その後も2027年にかけてFRBが目標とする2%に緩やかに近づき、28年には目標水準に到達すると予想している」と述べた。
労働市場については、安定化したとの認識を示した上で、失業率は現在の4.2%から緩やかに低下し、28年には4.0%を付けると予想していると述べた。
同総裁はまた、14日に発表された6月の米消費者物価指数(CPI)が予想以上に鈍化したことについて、インフレ率がFRBの目標である2%に向けて回帰していく上での「小さな一歩」であり、前向きに捉えているとの認識を示した。その上で、FRBのインフレ目標2%を変更することについては、「絶対に検討していない」と明言。「2%は適切な水準であり、ゴールポストを動かしたくない」と述べた。
さらに、金利がどちらの方向に向かうか、またいつ動くかについては「明確な方向性はない」と語った。
ウォーシュFRB議長については、「FRBの使命を深く信奉している」とし、物価安定と最大雇用を実現することの重要性を理解していると評価。「歓迎すべき新たな発想をもたらしている」との見方を示した。また、フォワードガイダンスから離れることについては、FRB内で「非常に強い支持があった」と述べた。
さらに同総裁は、消費者の中期インフレ期待が最近上昇したことは驚きではあるものの、インフレ見通しが不安定であることを示す重大な警告サインとは受け止めていないとの見方を示した。
同連銀の消費者調査で示された3年先のインフレ期待の上昇について、「間違いなく注視している」とした上で、「これまでの動きは比較的控えめだ」とし、「警告サインを発しているとは思わないが、中期インフレ期待がそれほど大きく動くことは望まないため、注意深く見守っていく」と述べた。