[ニューヨーク 13日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事は13日、今後発表されるデータでインフレ率が目標の2%を大きく上回る水準で高止まりしていることが示されれば、FRBは「近い将来」利上げが必要になる可能性があるとの見方を示した。
ウォラー氏は、ニューヨーク・ビジネス・エコノミクス協会での講演で、政策の方向性は14日発表の消費者物価指数(CPI)をはじめとする新たな指標によって決まるとし、データが悪い方向に振れた場合、FRBは「対応を怠る」べきではない局面にあると指摘。「インフレを厳しい目でにらみ続けていれば、自然に収束するというわけではない」と述べた。
その上で、「現在の政策水準を維持すれば、インフレ率が目標の2%に回帰し始める可能性は依然として十分にある。しかし、今後数週間のデータでインフレ率が高止まりするか、あるいはさらに上昇傾向を示す可能性も同程度にあり、短期的には金融引き締め政策が必要になるのではないかと懸念している」と説明。
特に最近のインフレ指標では、昨年の輸入関税引き上げや直近のエネルギー価格急騰の影響を超えて、経済全体で物価圧力が広がっているように見え、より構造的なインフレを反映している可能性があると指摘した。
ウォラー氏はまた、インフレの兆候を軽く受け止めてはいないとの考えを示した上で、「今週のコアインフレ指標が再び強い内容となれば、連邦公開市場委員会(FOMC)は近い将来の金融引き締めを検討する必要がある」とし、「インフレが正しい方向に向かっていると実感するには、低い数字が数カ月続く必要がある」との見方を示した。
さらに、拙速な利上げでリセッション(景気後退)のリスクを冒したくないと述べた一方で、雇用市場は安定しているとの見方を示唆。FRBは数年前に物価上昇圧力への対応が遅れたという過ちを繰り返さないようにする必要があるとの考えを示した。
ウォラー氏はインフレ率について、FRBが2%という単一の目標値ではなく、一定の範囲を設定する方が望ましいとの見方も示した。「個人的には、たとえば1.5%─2.5%といった一定の範囲をインフレ目標とすることを好む」とし、「単一の数値の目標は、成功か失敗かを判断する上で、時として制約が強すぎると思う」と述べた。
ウォラー氏がFRBの次の動きは今週のインフレ指標次第だとの見方を示したことは、自身の「反応関数」についてはほとんど手がかりを示さないウォーシュFRB議長のコミュニケーション手法とは対照的と言える。ウォラー氏は「市場にはできる限り多くの情報を提供したい。人を驚かせるのは良い考えではない」と述べた。
金利先物市場は、7月のFOMCで利上げが実施される確率は約40%との見方を織り込んでいる。9月までの利上げはほぼ確実視されている。