2月末に米国とイスラエルの攻撃によって父アリ・ハメネイ師が殺害された直後に新たな最高指導者に指名されて以来、モジタバ・ハメネイ師の消息はイラン国民や世界にとって謎のままだ。
モジタバ師は、ハメネイ師の国葬に声明などを出すこともなく完全に欠席した。イスラム共和国建国47年の歴史の中でも屈指の激動期にあるイランについてモジタバ師がどのような計画を抱いているのか、人々に推測を許すのみとなっている。
イスラム革命防衛隊の後押しを受けて就任したモジタバ師は、米・イスラエルによる攻撃で顔面に傷を負うなどの怪我をしたと伝えられる。複数の政府高官筋の話では、モジタバ師は意思決定を行っているものの、まだ公の場に姿を現せるほどには回復していないという。
ただ足元で米国との衝突が再燃したことで、モジタバ師の役割と健康状態は、極めて重要かつ懸念される問題となった。
中部イスファハンのある商店主は「安全保障上の観点から、モジタバ師が公の場に出るべきではないことは理解している。しかし国は非常に困難な時期にある。最高指導者の姿が見えることが必要で、たとえ負傷していても、国民はリーダーが存在し、国を運営していることを見るべきだ」と訴えた。
家族・血縁関係の重要性
9日に行われたハメネイ師の埋葬の進行においては、イランで最も神聖な聖廟で、モジタバ師以外の3人の息子たちが棺の前で祈りを捧げた。これは、イスラム共和国の指導層にとって家族・血縁関係がいかに中心的に位置付けされているかを浮き彫りにした。
モジタバ師の3人の兄弟は、全員が高位の聖職者となっているものの、イランにおいて重要な政治的プレーヤーとはみなされておらず、今後そうなる公算は乏しい。