非中核事業売却の受け皿に

OUT─INの増加について、M&A助言を手がけるフロンティア・マネジメントの山田毅マネージング・ディレクターは「円安が要因の一つになっている。海外投資家からは『日本市場の企業価値が相対的に下がり、投資しやすくなった』との声をよく聞く」と指摘する。

7月1日の東京外国為替市場では、円相場が一時1ドル=162円台後半まで下落し、1986年12月以来、約39年半ぶりの円安・ドル高水準を付けた。ドル建て資金を運用する海外投資家にとって、円安は日本企業の株式を割安に取得できる利点がある。

さらに、政府主導の企業統治改革や東京証券取引所による資本効率改善の要請も、引き続き追い風になっている。米投資銀行フーリハン・ローキーの酒井圭一マネージングディレクターは「日本企業の間で非公開化や、非中核事業を切り出す動き(カーブアウト)が広がる中、海外の投資ファンドが受け皿となるケースが増加している」と語る。

レコフデータによると、26年上半期の外資系投資会社による日本企業へのM&A案件は139件(前年同期比27.5%増)、金額ベースでは3兆8255億円(47.3%増)に達した。

広がる商機をつかもうと、欧州系投資会社アウレリウスが6月に東京オフィスを開設したほか、いったん日本市場から撤退した買収ファンドが再進出する動きもある。また、日本に参入しているアクティビスト・ファンド数は20年の46から、25年には75に増加した。

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