日銀はこのほど、日本の輸出が先行き大幅に減少する可能性を可視化した輸出版のヒートマップを作成し、1月の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」の全文に掲載した。それによると、現状は過去のITバブル崩壊やリーマンショックほどの強いシグナルは観察されないものの、海外経済を巡る不確実性が高まる中で、落ち込みを示唆する指標も増えている。

日銀作成のヒートマップは、金融活動の過熱と停滞を判断するために金融システムリポートで公表している「金融活動指標」が有名だが、今回はその輸出版といえる。

日本の実質輸出の落ち込みに対して予測可能性が高いとみられる18指標で構成されており、それぞれの指標の変動が一定範囲よりも下振れた場合を「青色」、範囲内にあるがトレンドとかい離している場合を「水色」、ほぼトレンドに沿っている場合を「緑色」で表記した。

18指標は地域間や企業・家計のバランスなども配慮し、約250種類の中から抽出。グローバル製造業PMIや世界自動車販売台数、日本製造業PMI、米国のISM製造業景況感指数、中国の金属加工機械生産台数などのほか、金融関連指標ではMSCI株価指数、VIX指数が含まれる。

過去の推移をみると、リーマンショックが発生した2008年には、大半の指標が先行きの大幅減少を示唆する「青色」となり、ITバブルが崩壊した2001年、欧州債務問題が深刻化した2012年も「青色」の割合が高まった。

足元では、米中貿易摩擦の激化などを背景に、世界経済の先行き不透明感が強まっているものの、2018年末時点では「青色」が世界自動車販売台数、中国金属加工機械生産台数、VIX指数の3指標となっており、日銀では「低い水準にとどまっている」と判断している。

もっとも、全指標が「緑色」だった2017年に対し、シグナル発生の手前となる「水色」を付けた指標も複数あり、警戒感は着実に高まりつつある。

日銀は同リポートで、海外経済について「下振れリスクは、このところ強まっているとみられ、わが国の企業や家計のマインドに与える影響も注視していく必要がある」と警戒感を一段と強めている。

(伊藤純夫)

[東京 24日 ロイター]
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日本銀行「2019年1月 経済・物価情勢の展望(展望レポート)」より輸出環境のヒートマップ
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