Yantoultra Ngui Rae Wee
[シンガポール 8日 ロイター] - シンガポールの政府系投資会社テマセクは8日、人工知能(AI)関連企業への投資を大幅に拡大する方針を明らかにした。AI関連の投資比率を現在の6%から今後5年間で最大15%まで引き上げることを目指す。
前年度のネットポートフォリオ(純資産)価値が5180億シンガポールドル(4000億米ドル)と、2年連続で過去最高を更新したと発表した。シンガポールドル建てで10.5%、米ドル建てで14.8%拡大した。
テマセクは資産売却益や地元企業の好調な業績が寄与したと説明した。AI関連企業の評価額が急騰する一方、不安定な中国経済や中東情勢による市場の変動で昨年度の最終月にポートフォリオ価値が2%押し下げられた。
ディルハン・ピレイ最高経営責任者(CEO)は記者会見で、AIの急速な進歩は「膨大な新たな機会を生み出す重要な局面」を意味すると述べた。エネルギーとデータセンター、半導体、クラウドサービス事業者、基盤モデル、AIアプリケーションおよびソフトウエアインフラという5つの重点分野に資本を投じる方針を示した。
<プライベートクレジットも重点分野に>
テマセクの10年間の年換算リターンは7.1%、20年間のリターンは6.8%となった。5年リターンは4.6%で、2021─24年に中国市場が世界市場に出遅れたことが響いた。中国資産の評価額はその後、回復しており、同社の中国向け実質エクスポージャーは年間で100億シンガポールドル増加した。
テマセクは高成長だが変動が大きいAI関連投資を補うため、プライベートクレジットや同社が「コアプラス」と呼ぶインフラ分野など、より安定した領域への投資を増やす計画も明らかにした。
プライベートクレジットへの投資比率は、優先担保付債務を中心に2%から31年までに5%へ引き上げることを目指す。電化、データセンター、エネルギー転換などに関連するコアプラスインフラへの投資は1%から31年までに5%へ拡大する計画だ。