[シドニー 8日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行)のハンター総裁補は8日の講演で、中東紛争で原油の供給が制約されるショックによってオーストラリアの消費者と企業の景況感が低下したものの、現時点では経済活動の著しい減速を示す兆候はほとんど見られないと指摘した。その上で「供給ショックは困難なトレードオフをもたらすものの、低くて安定したインフレを維持することの重要性を損なうものではない」との見解を示した。
中銀としては「インフレ率が目標に戻り、労働市場が持続可能な完全雇用状態となるように引き続き必要な措置を講じていく」と訴えた。
中銀は2026年に入ってから政策金利を3回引き上げて4.35%に設定した。6月には政策金利を据え置いたものの、原油価格の上昇が他の物価に及ぼす二次的な波及効果を注視しており、さらなる金融引き締めを排除できないと警告していた。
ただ原油価格は、米国とイスラエルがイランを攻撃して中東紛争が勃発する前の水準まで下落している。このため、市場では年末までの利上げ幅が15ベーシスポイント(bp)にとどまると織り込まれている。
ハンター氏は「もしも経済がインフレに持続的な上昇圧力をもたらす供給ショックに見舞われた場合(中略)いくらかの引き締めが必要となるかもしれない」としながらも、「金融政策当局者は、経済活動と労働市場の鈍化とのバランスを考慮しなければならない。もしもショックによって経済活動がより大きな悪影響を受けるのならば、引き締めへの傾斜はより限定的になるだろう」と説明した。