Tetsushi Kajimoto
[東京 8日 ロイター] - 財務省が8日発表した国際収支状況速報によると、5月の経常収支は3兆9683億円の黒字となった。黒字は16カ月連続。黒字額は前年同月比19.5%増えたが、ロイターがまとめた民間調査機関の予測中央値4兆1213億円は下回った。
内訳をみると、海外投資の収益や配当金などの第1次所得収支は4兆2756億円の黒字で、黒字額が2.3%増えた。貿易収支は5040億円改善し、69億円の黒字に転換した。北米向けの自動車やアジア向けの半導体など電子部品がけん引する形で輸出が14.7%増えて、輸入額を上回った。
一方、サービス収支は1411億円悪化し、103億円の赤字に転落。訪日外国人旅行者(インバウンド)の減少などを背景に旅行収支の黒字幅が縮小した。
貿易・サービス収支は3628億円改善したものの、34億円の赤字にとどまった。
エコノミストは経常黒字は増加基調を続け、今年も過去最大の黒字を更新するのでは、と予想する向きが多い。もっとも、そうして稼いだ経常黒字は日本国内の投資や輸出拡大にはつながらないとみている。
「経常黒字のほとんどは米国をはじめとした海外への再投資に使われる。企業としては、稼いだドルを日本ではなく米国などインセンティブのある国で雇用や設備投資に使うことが最も合理的だ」と、みずほ証券チーフエコノミストの小林俊介氏は述べる。
*財務省の発表資料は以下のURLでご覧になれます。
http://www.mof.go.jp/international_policy/reference/balance_of_payments/release_date.htm