Steven Scheer
[エルサレム 7日 ロイター] - イスラエルのコーエン・エネルギー相はロイターのインタビューで、ペルシャ湾岸諸国と欧州をイスラエル経由で結ぶ石油パイプラインが実現すれば、ホルムズ海峡を通る原油輸送への依存を大幅に軽減できるとの認識を示した。紅海の航路混乱も回避できるとしている。
米国とイスラエルがイランを攻撃し、その後イランがホルムズ海峡を事実上封鎖したことを受け、原油価格は急騰。米・イラン間の停戦を受けて価格は下落したものの、緊張再燃による海峡封鎖への懸念は残っている。
コーエン氏は「湾岸諸国は主要な収入源である石油輸出について、イランや(イエメンの)親イラン武装組織フーシ派に左右されるのを望まない。陸上輸送ルートを整備すれば、イランとフーシ派の双方を迂回できる。最適なルートはイスラエルを経由するものだ」と述べた。
フーシ派は近年、紅海を航行する船舶への攻撃を繰り返している。
湾岸産油国とイスラエルを結ぶパイプライン構想は過去にも浮上したが、中東情勢の緊張から具体化には至っていない。
一方で複数の関係者によると、サウジアラビアは紅海西岸へ原油を輸送する既存パイプラインの輸送能力拡大を検討している。これにより自国だけでなく周辺国もホルムズ海峡を通過せずにより多くの原油を輸送できる可能性がある。
コーエン氏は、イスラエルには紅海に面するエイラートと地中海沿岸のアシュケロンを結ぶ既存のパイプライン網があると説明。その上でアラブ諸国が参加を望む場合には、これらの国々との接続インフラ整備が必要になるとの見方を示した。
さらに同氏は、サウジからエイラートまで約700キロのパイプラインを敷設する構想を米国側に提案したと明らかにした。原油はエイラートからイスラエル横断パイプラインを通じてアシュケロンへ輸送し、その後タンカーで欧州市場へ運ぶことを想定している。
イスラエル安全保障閣僚の一員でもあるコーエン氏は、対イラン戦争における米国の対応を評価する一方、イランの核兵器開発計画が進展した場合には、イスラエルが単独で行動を取る可能性があるとくぎを刺した。
エネルギー政策については、イスラエル政府が6日、地中海沖での新たな天然ガス探査入札を開始したと説明。地質データに基づき、天然ガス層のさらに深部には石油資源も存在する可能性があると付け加えた。
その一方で、再生可能エネルギーの拡大を重視しており、2030年までに国内の発電量の少なくとも30%を主に太陽光発電で賄うことを目標としていると語った。