David Lawder
[ワシントン 7日 ロイター] - 中南米諸国は7日、強制労働で生産された製品の輸入防止に取り組んでいると表明し、取り締まりの緩さを理由に米国が提案している10─12.5%の新たな関税の適用除外とするようトランプ政権に求めた。
米通商代表部(USTR)が59カ国と欧州連合(EU)を対象に提案している関税に関する公聴会で、メキシコ、ペルー、グアテマラ、エクアドルの閣僚や代表は、サプライチェーン(供給網)において強制労働防止関連法の執行を怠っているとの指摘を否定し、問題に対処するための法律や手続きが自国に存在すると訴えた。
メキシコ経済省のアセベドフェルナンデス次官は公聴会で「メキシコは強制労働との闘いを重要な優先課題と位置付けている」とし、10%の追加関税は法令を順守する何千ものメキシコ企業を不当に罰することになると主張。「メキシコを経由して強制労働で生産された輸入品が米国に流入しているという証拠はなく、USTRが提案している対メキシコ関税は正当化できない」と述べた。
USTRの提案では、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)に準拠したメキシコからの輸入品は関税の対象外となる。
USTRは先月、強制労働で生産された製品の輸入を禁じる措置が不十分だとして、通商法301条を根拠とする関税を60カ国・地域に課す案を公表した。外国の供給網における強制労働が米労働者にとって不公正な競争につながると主張している。
ただ、この新関税は、トランプ大統領が緊急権限に基づいて発動した幅広い関税を最高裁が違法と判断したことを受けて2月に導入された10%の暫定関税に代わるものと広く受け止められている。暫定関税は7月24日に失効する。
一部の鉄鋼メーカーと業界団体は公聴会で、電炉での鉄鋼生産に使用する輸入銑鉄について除外を求めた。
銑鉄は米鉄鋼大手USスチールとクリーブランド・クリフスから購入できないため、通商拡大法232条に基づく国家安全保障を理由とした50%の鉄鋼関税では対象外とされたが、今回提案されている強制労働関税の対象となる見込み。ニューコアやスチール・ダイナミクスなどの生産者にとってはコスト増加要因となる。
鉄鋼製造業者協会のブランドン・ファリス執行副会長は、除外措置がなければ、主要供給国であるブラジルからの輸入銑鉄への関税は、対ブラジル関税と合わせると37.5%まで上昇する可能性があり、国内鉄鋼生産の大部分が競争上不利な立場に置かれると述べた。
USTRはコメントを検討した上で、提案された関税と除外措置に関する最終決定を下す見通し。