歓喜の絶頂からの転落

一方でドイツは、強力な輸出産業、堅調な労働市場、世界トップクラスの製造業を基盤に、経済大国としての地位を確立していた。

政治面でも、欧州債務危機の際にはEUの主要な調停役を担い、EUや米国との関係も極めて良好だった。

当時の首相アンゲラ・メルケルは「世界で最も影響力のある女性」と広く評され、一部では事実上の「欧州のリーダー」とみなされていた。

「2014年の代表チームの優勝は、未来への自信に満ちた新しいドイツの台頭と重なっていた」と、米シンクタンク、ジャーマン・マーシャル基金のシニアフェロー、スダ・デービッド=ウィルプは語る。

「ドイツはグローバル化の恩恵を受け、地政学リスクの高まりをほとんど懸念していなかった」と、デービッド=ウィルプは本誌に語った。「メルケル政権下のドイツは国際的な人気も高く、多様なルーツを持つ選手から成る代表チームは、ナチスの暗い歴史ゆえに抑制されがちだったナショナル・プライドの自然な表出を後押しした」

だが、世界で最も尊敬され、経済的にも活力ある国家としての地位を決定づけたとみられた2014年以降の12年間で、成功の多くは失われた。国家も、サッカー代表と同じように、かつて欧州の揺るぎない模範とされた存在感を取り戻せずにいる。

フューストは本誌に対し、「サッカー代表の低迷は、ドイツ経済の停滞と政治的結束力の低下を映し出している」と語った。

21世紀の大半において、「ドイツ・モデル」は強力な製造業と輸出競争力を経済の基盤としてきた。

ドイツの「失われた10年」
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